審議会等情報
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  • 令和5年2月13日開催 第六次環境基本計画に向けた基本的事項に関する検討会(第3回)

    環境省は2月13日、「第六次環境基本計画に向けた基本的事項に関する検討会」(高村ゆかり座長)の第3回会合をリモート形式で開催した。今回の議事は「目指すべき持続可能な社会の姿を実現するための方向性(地域循環共生圏・国際関係を中心に)」。地域循環共生圏について、実現に向けた課題を踏まえつつ今後の政策展開、実現のための方策などを検討した。 廃棄物処理や資源循環などにも大きな影響を持つ環境基本計画は6年ごとに見直しが行われ、次の第六次基本計画に関してはこの4月から実質審議が行われる。検討会ではその前に課題や方向性などを整理しておく。

    「地域循環共生圏」の進め方、課題と実現方法など

    議事として上げた「目指すべき持続可能な社会の姿を実現するための方向性」は、地域編と国際編の2つに分けられており、地域編では「地域共生型社会」を地域で具体化するものとして「地域循環共生圏」の実現に向けた課題を踏まえつつ、今後の政策展開や実現方法などが議論された。 地域循環共生圏の課題として環境省は、「地域が主体的かつ継続的に地域の課題解決をするようなローカルSDGs事業を生み出していく必要がある」「地域によっては、地域経済が衰退していたり、情報や資金、人材といった資源が不足している場合がある」「地域資源・地上資源の持続可能な活用を促進し、自然資本を守り、維持・回復していく必要がある」「広域的なネット ワークや社会・経済的つながりの構築の必要」などを挙げた。 また実現方法としては、「地域の主体性(オーナーシップ)と域内・域外の多様な主体による協働(パートナーシップ)」「成果の分析手法の改良・開発、地域の主体的な取組を可能にするためのプラットフォームの整備」などを示した。

    大都市での地域循環共生圏は難しい

    委員から「大都市圏、地方都市、農山村の3つに分けている。地域循環共生圏のイメージがどうしても農山村に近い、あるいは小規模都市といったことのようだが、都市のあり方についてもう少し踏み込んでもいいのではないか。ウクライナ問題があって、できるだけ地域で食料やエネルギーを循環していくことが重要だという認識が高まっている局面があるので、さらに一押しするステップに入ってきていると思います」との意見が聞かれた。 しかし別の委員は「大都市。地方都市、農山村それぞれにスポットあてるのは大事。ただ地方都市や農山村はイメージができていると思うが、大都市、それも脱炭素型で地域循環共生圏をどう構想するかはかなり難しい。私が知るっている限りでは横浜市が東北地方の農山村と連携して再生エネをそこから供給してもらう。その代わり横浜市の資源をそこに供給するという話がありますが、果たして国内だけでやっていけるのか。日本の国内だけで再エネを賄うのは難しいのでは。再エネを輸入することは十分考えられるので、マクロに分析するのも必要と思う」との意見も出された。

    地域の環境、社会問題の解決に環境政策の貢献は

    高村座長は、「都市圏、地方都市、農山村という3つにもいろんな形態がある中で、どういう環境問題に我々は直面し、あるいは解決しなければいけないのか。また、環境問題だけでなく様々な社会問題と統合して地域の問題として解決していこうという場合、環境政策はどういう形で貢献できるのか、環境政策の課題は何なのか、という点を皆さんからいただけたらありがたい」と委員に問いかけた。 それについて「現段階で国土利用という点で致命的というか、非常によくないのはエネルギー問題についても再生エネを地域で広げていくことを考えたとき、ゾーニング(区域割)すらできてこなかった。致命的です。今現状、自治体でゾーニングできているところはありません。何が重要かというとエネルギーもそうですが、食料、そしてプラスチック、レアメタル、金属類の循環。とくにエネルギーと食料の循環は大事と思っているとのコメントを出す委員も。同検討会は次回3月の第4回開催で取りまとめを行う予定 。

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  • 令和4年度年12月12日開催 災害廃棄物対策推進検討会(令和4年度第1回)

    環境省は12月12日、令和4年度としては第1回目になる「災害廃棄物対策推進検討会」をオンラインで開催した。今年度の検討会の検討内容および報告内容としては、今年度発生した自然災害における対策や対応に関して振り返り、問題点や改善点などを整理。災害廃棄物対策に関する総務省からの行政評価・勧告への対応・取組みを報告。大規模地震に備えた技術的な検討。各ワーキンググループ(WG)の予定。などを上げている。また第2回目の開催を来年3月上旬としている。

    令和4年の災害による被災状況と対応

    検討会は(公財)京都高度技術研究所の酒井伸一副所長を座長に推薦してスタートした。環境省が令和4年に発生した主な災害における被害状況と対応について資料に沿って説明した。3月の福島県沖地震、8月の大雨がもたらした石川県、新潟県などの被害、9月の台風14号による九州地区を中心とした被害、9月の台風15号が静岡県に大雨災害をもたらした件、それぞれに地方環境事務所などから職員数十名を派遣し現地支援を行ったほか、台風14号による被害では人材バンクから20名を派遣し現地支援を行ったほかD.Waste-Netから延べ8名が支援のため現地に入った。

    被害大きい静岡県、自衛隊も支援に

    なかでも被害が大きかったのは台風15号による大雨災害が発生した静岡県のケースだった。住居被害が全壊、半壊、一部損壊、床上・床下浸水を合わせて約1万3000戸に上った。環境省は現地支援として静岡県内7市町村に地方環境事務所などから述べ73名を派遣し、名古屋市、横浜市、川崎市など他自治体からも収集運搬支援が入った。また自衛隊も隊員約130名が車両7台の態勢で災害廃棄物の撤去支援を実施した。

    事災廃対策の振り返り、計画の実効性など課題

    災害廃棄物対策に関する振り返りでは、自治体の対策強化として災害廃棄物処理計画が未策定の自治体もあり、苦労した部分もあった。なかでも中小規模自治体の策定率はいまだ低いので支援を行っていくとしている。また処理計画は策定済みだったが、速やかな仮置場開設ができなかった事例があるなど、計画の実効性の向上が課題となった。これについてはグッドプラクティス・バッドプラクティスを整理し、自治体向けに周知していく。

    静岡の災害、他からのごみ持込も

    出席委員からは、台風15号による静岡県の被害状況と対応についての質問が多かった。 「静岡を中心とした台風15号の報告ありましたが、報道などで他からのごみの持込みが言われていたが、その辺、今後の議論につながるような情報を頂ければ」「今回の災害では仮置場が早急に開設されなかった例があると聞く。それはなぜなのか」。 これら質問に対して環境省は次のように答えた。「ごみの持込みがあったというのは否定できない。早期に集積所から仮置場に搬出することが必要になってくると思うので、自衛隊や各自治体の収集車含めてご協力いただきながら進めていきたい」「仮置場の設置が遅れた理由ですけど、静岡市の方でも仮置場の選定は進めていました。ただ民間地だったので交渉が必要で設置が遅くなったのが原因と考えている」 また捕捉として「衛星の活用とかドローンの活用はいま検討を進めているところです。ドローンについては1カ所、写真撮影をしていますので今後も検討していきたい」と付け加えた。

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  • 令和4年8月25日開催 中央環境審議会循環型社会部会 第43回

    環境省の中環審循環型社会部会は8月25日、Web形式による会合を開催し、7月にパブリックコメント(意見募集)にかけた「第四次循環基本計画の第2回点検結果(循環経済工程表)」の結果を踏まえて審議した。委員からは「循環ビジネス促進は外資のためにやるように読める」「市民へのアプローチが少ない」などの意見が出され、こうした部分の修文・加筆などを酒井部会長に一任することで了承となった。事実上、「循環経済工程表」が出来上がったことになる。

    2回に及ぶ意見募集、「工程表」への意気込み

    7月1日~同30日までの1カ月間で行なわれた「工程表(案)」への意見募集結果は、6個人・団体から19件の意見が寄せられた。意見がやや少なかったのは2回目の意見募集だったからだろう。1回目は「事前意見募集」(パブリックコンサルテーション)という方式をとり本年1月18日~2月28日までの約6週間にわたり実施した。このときは個人・団体40人から68件の意見が寄せられた。さらに事前意見募集後の3月16日には、自治体や動脈系企業、経団連、市民団体などによる「ワークショップ」が開催されている。2回に及ぶ意見募集に加えてワークショップの開催。国の『循環経済工程表』への意気込みが感じられる。

    循環経済構築は、外国投資家のため?

    以前に述べたが、「工程表」の肝となる今後の方向性では、「環経済の方向性と2030年に向けた施策の方向性を循環経済工程表として取りまとめた」としており、①素材ごと、②製品ごと、③循環経済関連ビジネス促進の方向性等々、8つの分野ごとに、おおむね2030年頃までに必要な施策の方向性を記している。 今回の会合でひとりの委員から厳しい注文がつけられたのは、「循環経済関連ビジネス促進の方向性」についてだ。「(循環経済関連ビジネス構築)は、投資家から適切に評価される必要がある、としている。また、その直前にESG投資が呼び込まれる社会をつくると言っているし、その直後には国内外の投融資や拡大としており、その投資家とは暗に外国の投資家を想定したものであることがわかる」と述べ、「私たちは外国の投資家の利益を増やすために日本での循環経済構築を目指しているのではない」「本来であれば書かなくてもいいような外国資本を連想させるような書き方をする必要が果たしてあるのか」と修正を迫った。

    CNの観点からはESGの期待は大きい

    これについて別の委員からは「外国投資家に儲けさせるために循環経済に取り組んでいるのではないというのは全くその通りでこの辺は誤解のないようにしておく必要がある。ただカーボンニュートラル(CN)の観点からはESGの活用、期待というのは大きなものがあるので、それを循環経済の分野でも期待しているものだと思います」との意見が出された。環境省は「ESGを呼び込むというより、このところは資源循環の取組みをする企業というところなので、そうした企業が投資を受けた結果、国内で資源循環を促進するということです」と説明。 このほかの意見としては「工程表の進ちょくについて今後どのように確認していくのか」、また数名の委員からは「市民のアプローチの部分が少ないように思う」といった指摘があった。

    修文・加筆を部会長に一任し完成

    「工程表」の今後の確認について酒井部会長は、「工程表の『おわりに』のところに今後の方針を書き込んである」とし、必要な方策を政府として実施していくとともに、廃掃法に基づく基本方針などを示した。 そして意見が出された「循環経済関連ビジネス促進の方向性」と「市民へのアプローチ」の部分を修文・加筆することを酒井部会長に一任することで部会は了承し、「工程表」は事実上出来上がった。

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  • 令和4年6月27日開催 中央環境審議会循環型社会部会 第42回

    環境省の中環審循環型社会部会が6月27日Web形式で開催され、以前から審議してきた「第四次循環基本計画の第2回点検結果(循環経済工程表)」がまとめられた。循環経済工程表は資源循環に基づく脱炭素の取組みを推進していくための2050年を見据えた目指すべき方向性と2030年に向けた施策の方向性を示した。一部修文して早速パブリックコメントにかけられた。

    「今後の方方向性」と「おわりに」の部分に注目

    「工程表(案)」は前回も触れたが資料も含めて全体で108ページという大部なもの。構成としては、大きくは(1)循環型社会形成に向けた進捗状況、(2)循環型社会部会における点検結果、(3)計画全体の進捗点検、(4)おわりに、(5)参考資料といった5項目で組み立てられており、とくに(2)の中に記載されている「今後の方向性」がポイントになる。また、(4)の「おわりに」の部分はたった1ページの文章だが全体を統括した形になっており、工程表の位置づけもわかるような書きぶりになっている。注目すべき部分だ。

    2050年見据えた循環経済分野ごとの施策の方向性

    「今後の方向性」では、サーキュラーエコノミーへの移行を加速するため、2050 年を見据えて目指すべき循環経済の方向性と、2030 年に向けた施策の方向性を循環経済工程表として取りまとめたと述べており、「循環経済の役割と2050年を見据えた目指すべき方向性」としては、第四次循環基本計画の重点分野である「ライフサイクル全体での徹底的な資源循環」及びこれと密接に関連する分野の章立ても参考に、①素材、②製品。③循環経済関連ビジネス促進の方向性等々、8つの分野ごとに、おおむね2030年頃までに必要な施策の方向性を示したとし、それぞれの分野での方向性を記している。

    ウクライナ問題が示唆、国内調達と循環の必要性

    委員からは次のような意見が出された。 「日本の企業にとって海外に資源を依存しているということは、特に昨今のウクライナ情勢からわかるようにサプライチェーンのあり方、資源はできるだけ国内で調達しよう、循環していこうということが明らかになっていると思う。と同時に企業は循環経済の中でも特にプラスチックに関心が高い。で、循環経済の施策を進めていくときのプラスの便益、副次的効果についてもしっかり評価するということが大事だと思う。そういった観点からも指標が示せるのか検討してもらいたい」。また「サーキュラーエコノミーだと、雇用も含めて環境以外との政策との関係もある。そういうのをわかるようにしていくのは重要と思う。環境省も常にそういう意識を持って取り組んでいただけるとありがたい」との意見も。

    循環経済の副次的便益を示す必要も

    循環経済の副次的便益を示すということについては酒井座長も賛同し、環境省に対して「循環経済のプラスの便益、副次的効果を温暖化ガス削減と合わせて解析するのが重要な課題かと思う」と取組みを促した。環境省は「温暖化ガス削減以外の他の便益について今後、しっかりした分析が必要になってくると考えている」と述べた。部会は意見募集の結果を見てあと1回審議する。

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  • 令和4年6月24日開催 環境省「全国廃棄物・リサイクル行政主管課長会議」

    環境省による「全国廃棄物・リサイクル行政主管課長会議」が6月24日、Web形式で開催された。環境関連全般に関する課題や各政策の動向や方針などを説明し、自治体に対応や協力などを求めるもの。今回の特色は、カーボンニュートラル(CN)を踏まえた廃棄物処理・資源循環の方向性を示し、その対応を求めたものといえる。個別政策の説明では今年4月から施行された「プラスチック資源循環法」に比重をかけていた。以下、主な政策についての説明のあらまし。

    総務課・資源循環室:プラ関係で人員を強化、脱炭素を意識

    総務課は奥山総務課長が、手短に局全体の総括的な話をした。 今年度、組織の関係でポイントに置いているのはプラスチックの関係。プラ法の施行ということで人員を強化している。リサイクル推進室はもちろんのこと、関東、中部中国の地方環境事務所において人員の強化をしている。残りの地域についても順次強化していくが、今年度はこの3地域という形。地域でいろいろ取組みされている際には、こうした地方事務所の人たちと連携を取っていただきたい。資源循環分野においても脱炭素の取組みをしっかりやっていかなければならない。そういう方向性を強く意識している。方向性としてはサーキュラーエコノミーへの移行ということで、そのときに脱炭素を強く意識しながら取組みを前に進めていくという観点での様々な事業が重点施策として並んでいる。

    廃棄物適正処理推進課:処理計画の策定、事業系廃棄物

    ①一般廃棄物の処理計画の策定及び実施 廃棄物適正処理推進課は筒井課長が説明した。 「一般廃棄物の適正処理の推進」は、大原則で一般廃棄物処理の一番大事なところ。毎年申し上げていますが「一般廃棄物の処理計画の適正な策定と運用の徹底」ということでお願いしたい。廃掃法に基づく基本方針それから3つのガイドライン、それと循環基本法に基づく循環基本計画という中で、循環型社会の形成にあたっては、環境保全を前提とした循環型社会の形成が主唱されているということです。 このことを踏まえて環境省としては、平成20年6月19日に課長通知(6.19通知)で「ごみ処理基本計画の策定にあたっての指針について」を出させていただいた。さらに、ごみ処理基本計画の策定指針につきましては平成28年9月に改定・通知を行なっています。 都道府県の皆様におかれましては市区町村の一般廃棄物の処理責任、一般廃棄物の処理計画の重要性を改めて認識したうえで、一般廃棄物処理計画の適正な策定、運用が行われるよう貴管内市区町村に対して周知徹底、助言をお願いしたい。 また、市区町村の処理責任の性格について改めて申し上げておきますが、市区町村が自ら行う場合はもとより、市区町村以外の者に委託して行わせる場合や許可業者に行なわせる場合であっても、引き続き市町村が処理責任を有するというものでありますので、これは平成26年1月28日の最高裁判決でもこういう考え方が示されているところです。その旨、平成26年10月8日に通知(10.8通知)をしておりますので、これについても引き続き徹底、ご指導をお願いしたい

    ②事業活動に伴って生じた廃棄物の適正な処理 事業活動に伴って生じた廃棄物につきましては、その性状とか排出量、処理困難性の問題から市町村の処理責任の下で円滑に処理されているとは言い難いもの、以外については市町村の処理責任の下に整理されているというものです。 事業者から排出される廃棄物のうち、市町村による処理が可能なものについては事業系一般廃棄物として、市町村による統括的処理責任の下、一般廃棄物処理計画によって処理がなされる。

    リサイクル推進室:プラ法の資源化2つの方法

    リサイクル推進室は平尾室長が説明。「プラ法」「容リ法」「家電リ法」「食品廃棄物対策」「太陽光パネル関係の処理」……等々、その対象は多岐にわたるが、なかでもプラ法についての説明に比重をかけていたので、その部分を取り上げる。

    プラスチック資源循環法

    プラ法の話をしたいと思います。プラ法のエッセンスはライフサイクル全体ということです。プラスチックのライフサイクル全体という話と3R+Renewableという話です。そしてあらゆる主体でやりますというのが重要です。 地方自治体の責務規定のようなものがありまして、市町村の域内での分別収集・リサイクルといったところ。それから都道府県さんにあっては技術的援助に努めていただくというようなことが書いてあります。で、今年度も先進的なモデル形成に取り組む地方公共団体を対象に、モデル形成支援事業を実施していくこととしております。まあ、一緒に考えて行こうということです。で、都道府県さんにあっては、管下の市町村さんがどういうふうにしようかなと、かなり迷われているところもあるかと思います。国としても一緒に考えるという姿勢でやってきたと思っておりますが、都道府県さんにあっては市町村さんが積極的に動けるよう格段のご配慮をお願いしたい。 市区町村の分別収集・リサイクルですが、ご案内の内容かと思いますが努力義務がかかることになっています。今までプラ容器包装リサイクルということでしたので、容器包装のところだけでしたけれども、容器包装含めた製品プラについても分別収集とリサイクルについて努力義務がかかるということになっています。方法は2つあります。容リ協に委託する方法と、再商品化計画を策定して国の認定を受けるという方法になります。

    容リ法の指定法人に委託する方法

    容リ協会に委託する方法は分別収集物の基準というものがあります。これについては「手引き」を出していますので、ぜひご覧になってください。157品目ほど細かく解説しておりますし、これに則らずにプラ100%のものにするというような方法もありますけれど、入れてはいけないというものも書いてありますので是非「手引き」をご覧になってください。別途、市町村さんとの個別の説明会というものをさせていただいておりますが、その中でも紹介申し上げるところです。 『特別交付税措置』についてです。プラ法では容リ法での責任分担は変わっておりませんので、容リの部分は容リ法に基づく事業者がリサイクルの責任を負担する。一方で、市町村さんの負担は製品部分となっております。で、そうはいっても市町村さんの負担が増えるという部分について特別交付税(特交)が出ますということになっています。総務省からも通知があったところです。で「特別交付税がどれくらい出ますか」ということですが、個別に普及させるのではなくて、一律の単価(円/トン)を設定しましょうということで法務省と調整しておりまして、すでに製品プラを分別収集・リサイクルしている市町村にアンケート調査いたしまして算定しようと考えています。 留意事項です。容器包装プラと製品プラの比率はベール調査などして重量を分担して処理費用を掛けていくことになる。

    認定計画に基づく再商品化の方法

    これも「手引き」を出しています。説明会もやっております。どいうふうに申請するかとかも、(手引書を)ご参照いただければと思います。ただ1点だけ。先ほどの容リルートと若干違うのは市町村が自分でリサイクル事業者さんを見つけてくるということになりますので、この部分の責任、大変重要になるということを強調させていただきたいと思います。選定なので市町村さんの責任重くなりますけれど、率直に言って顔の見える連携が構築できるというメリットが大きいんじゃないかと思っております。私たちが分別したプラがこうなっておりますという市民への説明も大きいんじゃないかと考えております。そういった主旨も踏まえた認定再商品化計画というふうにご理解いただきたい。 『あわせ産廃処理』というのがあります。必ずしも注目されていないかもしれませんが、プラの場合「あわせ産廃」でやっているという場合に、プラ法のルートに乗せることが可能になっています。具体的なやり方、いろいろありますので今後ご相談願えればと思っています。 『循環型社会形成推進交付金』についてです。プラ法施行前から説明させていただいておりますが、交付金については今後、容リプラと製品プラの分別収集・再商品化を行っているということが交付対象として要件化されていますので十分ご留意いただきたい。

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  • 令和4年5月23日開催 中央環境審議会循環型社会部会 第41回

    環境省の中環審循環型社会部会が5月23日Web形式で開催された。議題は「第四次循環基本計画の第2回点検結果(循環経済工程表・素案)」で、前回の部会で委員から出された意見をもとに工程表の文章を修正・加筆したものを事務局が提示し議論した。肉付けされた工程表は105ページにおよび、前回に比べ16ページも増えた。なかでも「今後の方向性」の部分が肝になるため事務局の説明もこの箇所にやや時間を費やした。プラについては自治体の回収量を2030年度までに倍増させるといった具体的な書きぶりも見られる。

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  • 令和4年4月5日開催 中央環境審議会循環型社会部会 第40回

    環境省の中環審循環型社会部会は4月5日、「第四次循環基本計画の第2回点検及び循環経済工程表の策定の素案(案)」についてWeb形式での会議を開催した。素案についての審議を行ったほか、今年1月~2月にかけて実施した循環経済を最大限利用した将来像についてのパブリックコンサルテーション(事前意見募集)で得られた意見の概要が紹介されたほか、参考資料としてプラ新法の市町村取組み予定アンケート結果なども示された。

    目標達成は総じて横ばいか厳しい

    部会ではまず、「第四次循環型社会形成推進基本計画の第2回点検」として資料に基づき、循環社会の全体像として代表指標の進ちょくの状況を説明した。「資源生産性」「入口側の循環利用率」「出口側の循環資源率」「最終処分量」のそれぞれについて、最新値である2019年度から見て、目標の2025年度までに達成可能かどうかを示した。それによると「資源生産性」と「最終処分量」は短期的にも長期的にも目標達成は可能の見込みだが、残る「入口および出口の循環利用率」の2つについて、目標達成はやや厳しいという状況だ。 同様に、「ライフサイクル全体の徹底的な資源循環」として、「プラスチック」「バイオマス(食品、木など)」「ベースメタルやレアメタルなどの金属」の目標達成進ちょく状況を示した。さらに「持続可能な社会づくりとの取組み」として、「循環型社会の市場規模」「家庭系食品ロス量」「事業系食品ロス量」「一般廃棄物のプラスチックの焼却量」等々の目標達成見込み状況を表した。 項目それぞれに目標達成の見込みはバラバラだが、ざっと見たところ、動向は総じて横ばいないしは達成が厳しいという印象だ。

    情報の新しい伝え方、循環型だけが情報ではない

    委員からも目標達成見込が横ばいないしはやや下向きと思えるとの指摘があり、これについては「今の体制ができて循環型社会構築に協力的になったが、それができなくなってきた。降りる人が出てきて横ばいになったのかなと。そうなると今の体制そのものでは向上は難しい。きっかけが必要」と述べ、さらに「地域循環共生圏などがあるが、共通の政策とか人々にどうやって情報をつたえるか、新しい伝え方というのを模索する必要があるのかなと思った」と語った。 この情報の広がりということについては、少し違った角度から意見を述べる委員もいた。 「いろんな方にとって価値ある情報というのは何も循環に関わる部分だけではなく、多様な意味を持っている情報だから価値が上がってつながっていく。結果的に循環にも寄与するというのが正しい展開だと思う。そうでなければ普及しない。循環ということだけでなく、広い目で見たときに価値ある情報をつないでいくんだという視点でうまくつないでいただけるといいと思う。どうすればそうなるのかを少し検討いただければと思った」

    事前意見公募という試み

    環境省は今年1月18日から2月28日までの間、「2050年持続可能な社会に向け、循環経済を最大限利用した将来像及びそのアプローチについて」の事前意見公募を行った。パブリックコンサルテーションと呼ばれるもので、従来こうした意見募集は部会などで検討テーマの取りまとめがなされ、それについての意見募集という形をとっており、事前に意見募集するのは画期的といえる。委員からも「特徴的な試みをやった」「多くのページを割いていることに敬意を表する」など評価する声が聞かれた。意見は個人・団体の計40名から総計68件が寄せられた。 質問は3点あるが、それについて寄せられた意見は、かなり幅広いことがわかる。これらの意見をどのようにして今後の施策に反映させるかということだろう。

    まだ形が見えない「工程表」

    「循環経済の工程表」についは今回、工程表らしきものは示されていない。今後の方向性として「循環経済の役割と2050年を見据えた目指すべき方向性」という項目を立てている。目指すべき方向性としては、「素材ごとの方向性」「製品ごとの方向性」「廃棄物処理システムの方向性」といた具合に8項目が並べられており、項目それごとに中身が箇条書きにずらっと書かれているだけだ。工程表のたたき台と言えようか。 「(カーボン削減の目標年度である)2030年と50年が混在しているなという内容になっていると感じられるので、文書化するには分類して区別した方がいいのではないか」と整理が必要との意見が委員から出された。

    プラ新法、実施市町村は3~5年以内が多い

    参考資料としてプラ新法についての資料が示されている。法律の概要や仕組みが写真やイラストを使って説明されているが、その中に「プラスチック分別回収等に関する市町村アンケート」が差し込まれている。市町村アンケートの第1回は昨年7月20日から8月10日にかけて実施されたが、追加アンケートとして10月18日から同22日にかけて実施したものを入れてある。全市区町村1747団体のうち1455団体から回答があった。 環境省は回答のあった1455団体のうち、182団体が既にプラ製容器包装と、プラ製品の分別回収・リサイクルに取り組んでいる又は取り組むことを検討していると記しているが、「未定」としている団体もすべて含めた数字なので、盛りすぎている感がしないこともない。 3年~5年以内の実施を計画している団体が多い。再商品化の方法は容リルートの活用を検討しているところが圧倒的に多い。 委員の一人からは「多くの自治体が参加を考えている状態ではない。こうしたものを今後どのように進めていくのか、何がネックになっているのかの要因分析が必要ではないのか」とやや手厳しい意見が出された。

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  • 令和4年3月9日開催 災害廃棄物対策推進検討会(令和3年度第3回)

    環境省は3月9日、令和3年度としては最後になる「第3回災害廃棄物対策推進検討会」をリモート形式で開催した。過去5年間の検討会の成果や課題を総括するとともに、2つのWG(ワーキンググループ)からの報告が行われた。技術・システムWGからは南海トラフ地震が起きた場合、災害廃棄物発生量は東日本大震災の約10倍に相当する2億2000万トンになるとの推計が出された。また今回の検討会では務台環境副大臣が出席。あいさつの中で副大臣は、「この検討会の議論は政治の場の議論に結びつく」と述べ、開始から終了までの2時間にわたり説明や議論に熱心に耳を傾けていた。

    務台環境副大臣「議論は政治の場に結びつく」

    モデル事業の実施では、関東・中部・近畿の地方事務所いずれもが域内の自治体と共に図上演習を実施しているが、中部環境事務所がこうしたこととは別に連携に係る検討として行った「関係機関との意見交換」は特徴的だった。 意見交換会は、同環境事務所と中部ブロック管内の人材バンク登録者と行なったのと、同環境事務所・自衛隊・県を交えての意見交換も実施している。これらは「顔の見える関係の構築を目的としている」(同事務所)。 被災自治体のニーズを踏まえ、適材適所の人材派遣を行い、支援を効果的なものにするためには人材バンク登録者の特徴等を熟知しておく必要があるという。 また、自衛隊や県(環境部局・防災部局)との意見交換も情報共有、演習等を通じての連携強化が必要との考えから。次年度には自衛隊との図上演習を計画している。

    損壊家屋の解体廃棄物、新耐震基準の前後で違い

    「災害廃棄物発生量の推計精度向上のための方策検討」について島岡委員長(九州大学教授)が報告した。地震や水害などで被害を受けた家屋(木造・RC造)全壊、半壊、床上・床下浸水など20棟について実際にモデル解体を行い、解体により排出される廃棄物発生量や組成を調査した。 その結果、昭和56年に施行された新耐震基準より前の木造家屋からはコンがら(コンクリートがら)の発生が46.7%であるのに対し、新耐震基準導入後の木造家屋の場合では59.1%だった。コンがらの発生量の違いは、家屋の土台にコンクリートを使用しているか否かによるところが大きいことがわかった。非木材家屋(RC造)では、コンがらの割合が94.1%を占めた。 「仮置場の必要面積算定のための片付けごみ発生量の検討」も行った。人口規模1万人の場合だと1世帯あたり0.5トンの片付けごみが出てくるだろうと。ごみの比重などを計算すると1万2500立法メートル となり、仮置場で2mに積むとしたら(仮置場面積は)0.625万㎡が必要になると試算。

    南海トラフの発生量、約2億2000万トン

    「技術・システム検討WG」は、牧WG座長(京都大学教授)が説明した。大きな検討テーマは南海トラフ地震における災害廃棄物発生量の見直しと処理のシナリオ。南海トラフ地震による災害廃棄物発生量は、建物耐震化が進み以前の推計より発生量が1割以上減少することを確認、2億1000万トンの発生量と推計された。これに片付けごみを加えると東日本大震災の約10倍にあたる約2億2000万トンと推計されるとした。 南海トラフでは「中部」「四国」の災害ごみを関東や九州で受け入れる広域処理になるが、3年で処理をするとしたら船舶による搬送のほか10トントラックが約5400台必要になるとの試算を示した。また、柱角材の受け入れが十分でないなどの課題も報告した。

    簡単なリーフレット作成

    「地域間協調WGの検討」は、座長の京都大学の・利准教授が報告。災害廃棄物処理計画の策定について4割の市町村が未策定となっているが、これらは小規模自治体が多数。そのため「災害廃棄物処理体制と業務」という簡単なリーフレットを作成し、処理計画策定につなげていくとしている。

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  • 令和4年1月19日開催 災害廃棄物対策推進検討会(令和3年度第2回)

    環境省は1月19日、「令和3年度第2回災害廃棄物対策推進検討会」をWeb形式で開催した。議題は、①各地方事務所のモデル事業実施状況。②災害廃棄物処理支援員(人材バンク)の支援報告の2点。モデル事業の実施では、環境省の関東、中部、近畿の3つの地方事務所からそれぞれ報告がされた。参考になる部分も多い。また人材バンク関係では熱海市と北広島町への支援・受援状況が報告された。災害廃棄物処理体制の強化に向けて様々な取り組みがされている。

    自衛隊などと意見交換(中部環境事務所) 

    モデル事業の実施では、関東・中部・近畿の地方事務所いずれもが域内の自治体と共に図上演習を実施しているが、中部環境事務所がこうしたこととは別に連携に係る検討として行った「関係機関との意見交換」は特徴的だった。 意見交換会は、同環境事務所と中部ブロック管内の人材バンク登録者と行なったのと、同環境事務所・自衛隊・県を交えての意見交換も実施している。これらは「顔の見える関係の構築を目的としている」(同事務所)。 被災自治体のニーズを踏まえ、適材適所の人材派遣を行い、支援を効果的なものにするためには人材バンク登録者の特徴等を熟知しておく必要があるという。 また、自衛隊や県(環境部局・防災部局)との意見交換も情報共有、演習等を通じての連携強化が必要との考えから。次年度には自衛隊との図上演習を計画している。

    住民啓発モデル事業(近畿環境事務所)

    近畿環境事務所は、「最近は市町村の6割以上で処理計画策定が済んでいるので、昨年度から住民啓発モデル事業を実施している」(同事務所)。「災害の現場を見ますと、実際にごみ出し行なっているのは住民でありボランティア。そこのところの取組みが弱い。災害廃棄物への対応ができていない部分があると思う」。 そこで住民啓発モデル事業を実施した。その内容は、①災害に伴う廃棄物の「住民用搬出マニュアル」の作成。②防災部局と連携した災害廃棄物排出の実践訓練実施支援。③家庭内退蔵品の集積所排出模擬実験の実施。 災害時における廃棄物処理についての住民用パンフレット作成のため、長岡京市(京都府)、京田辺市(京都府)、寝屋川市(大阪府)など合同のワークショップを開催し、住民の方の要望やマニュアルに載せる情報などについて、住民にも参加してもらい情報交換しながらそれを踏まえて作り上げた。「このハンドブック1冊あれば災害時のごみの出し方に困らない」(同)。また、集積所の場所なども写真で掲載。昨年11月には住民用仮置場搬入模擬訓練をした。

    人材バンクからの支援を報告

    人材バンク(災害廃棄物処理支援制度)への登録状況は、令和3年12月末時点で260名となっている。前年度から21名増えた。内訳は都道府県69名、市町村191名となっている。 この人材バンクから熱海市と北広島町に支援が行われた。 令和3年7月3日に大雨による土砂災害が発生した熱海市に、千葉県館山市から2名が支援に向かったのは8月31日のことだった。被災市が多忙なためメールでの連絡が行われた。支援内容は、「被災家屋の解体撤去、費用償還に関する制度設計、運用時用の留意点」「補助金申請事務」など。今後の課題に向けて今回感じたことは「被災市の状況に適した特性の支援員を、適した人数、安定的に確保できるか」(館山市)。 平成30年7月豪雨で被災した北広島町には、広島県坂町から9月~12月にかけて6日間支援活動を実施した。「財務会計事務」「公費解体・費用償還受付事務」「仮置場の原形復旧」等が支援内容。同規模自治体だったため好意的だったという。今後の人材バンクについて坂町の支援員は、「人材バンク登録者の資質の見極め」「知識のアップデートが必要」「発災時の段階で人材のピックアップ」などが必要ではとしている。

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  • 令和4年1月14日開催 産構審・中環審合同会合 家電リサイクル制度検討委員会

    施行から20年を経過する「特定家庭用機器再商品化法(家電リ法)」は施行後5年ごとに制度の検討、評価、見直しなどを行うこととなっている。その見直し時期となったため環境省中環審と経産省産構審の家電リに関わる合同委員会は、関係者のヒアリングを含め昨年4月より6回にわたり議論を行ってきた。「対象品目」「ネット販売業者への対応」「不法投棄対策」「回収率の向上」「再商品化費用の回収方式」などの課題が議論され今回、報告書(案)として取りまとめされた。エアコンの回収率を引き上げることで、2030年度までに廃家電4品目合計の回収率を70.9%以上とするとしている。また、有機ELテレビを対象品目として追加する方針も示された。なお、大きな課題として提示されたリサイクル料金回収方式に関しては、今回は変更しないものの継続審議とした。

    再商品化費用の回収方式、現状維持も継続審議

    今回の合同会合で指摘された案件をまとめると、①対象品目の追加。②ネット販売・通信販売(EC事業者)など多様な販売形態をとる小売業者への対応。③回収率向上について。④再商品化費用の回収方式について、など7項目になる。 なかでも「再商品化費用の回収方式」は大きな課題として出席委員(主に量販店や自治体関係者)から指摘された。現状のリサイクル料金の後払い方式(排出時払い)を、前払い方式にすべきで、そうすれば回収率も向上し、不法投棄も減少するということからだ。これについて委員会では、回収率実績は令和元年度に64.1%と、平成30年度に設定された回収率目標値56%を大幅にクリアしている。また不法投棄台数も減少傾向にあることから、現時点では直ちに料金制度の変更が必要になるだけの問題が生じているとは考えられないという意見が多く、今回の見直しでは制度変更は行わないこととするが、回収率向上と不法投棄の減少は引き続き取り組むべき重要な課題であるとことから、検討会において今後も継続して審議することとなった。

    ネット販売事業者のデータ蓄積、立入りなど対応必要

    インターネットでの家電販売や通信販売などいわゆる「EC事業者」は、家電リサイクルの収集運搬料金の表示をしていないなど家電リ法違反の懸念がある。国が平成30年5月に実施したEC事業者(合計991店舗)の立入り調査では、「家電リサイクルの収集運搬料金の表示なし」が63%?96%という結果だった。こうしたところに行政指導を行った結果、ほとんどが「家電4品目の販売の取りやめ」「モール運営事業者による出品停止措置」という行動をとった。筑波大学教授の西尾委員は、「EC事業者の販売は今後増えていくと思う。規模が小さい業者も多く不安定。調査してデータを蓄積してほしい。モールサイトの運営者と連携して、立ち入り検査を行うとか。モールサイトと関わっていない業者については物流業者と連携して立ち入り検査を実施することも考えられるのではないか。物は必ず運ぶわけだから」と提案。経産省は「EC事業者のデータ蓄積はまさにその通り。現在やっているところ。物流業者との連携は検討したい」とした。

    回収率を2030年度70.9%までに引き上げる

    「回収率の向上」については、現状の回収率実績64.1%を2030年度には70.9%に引き上げる。ここでカギになるのがエアコン。家電4品目の回収率の中でエアコンを除く3品目は73?89.3%と高い実績を示しているが、エアコンだけが37.6%とかなり低い。これは「空き家」が増えており解体時に家電リルートに乗らないことや、EC販売のエアコンも家電リルートから外れていることからではないかと推測される。エアコンは銅やアルミなど高価格の金属が使われているためスクラップ業者へ入るケースが多い。このため回収率引き上げの具体策として、スクラップ業者によるエアコンの引取り台数を現状の312万台から156万台へ半減することをめざし、半減した分を家電リルートに回す。こうすることで2030年度の家電4品目の回収率目標を64.1%から6.8%増やして70.9%にするとした。 なお、家電リへの品目追加としては「有機ELテレビ」加えるとしたが、市町村などから追加要望があった電子レンジ、マッサージチェア、オイルヒーター、冷媒ガスを使用した除湿器などについては家電リ法の要件を満たしていないとして見送られた。

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