審議会等情報
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  • 令和6年6月10日開催 中央環境審議会循環型社会部会 第55回

    第五次循環型社会形成推進基本計画(案)を審議してきた環境省の中央環境審議会循環型社会部会は、6月10日開催の部会をもって審議をすべて終了した。今回示された計画案は前回の部会での委員の意見や、パブリックコメントで寄せられた多くの意見を踏まえて追記や修正をしたもので、手直しされた箇所が随所に見られる。4月22日から1カ月間実施したパブコメに寄せられた意見は予想をはるかに上回る815件。一般市民の「循環型社会」への関心の高さがうかがえる。計画案は今回の審議での意見を参考に若干の修正を加えて環境大臣へ答申という流れになる。

    〜循環経済を国家戦略に〜と変更

    各委員からの意見やパブリックコメントを踏まえて追記や修正をして示された今回の基本計画案は150ページという相変わらず大部だが、随所に手直しがされている。まず表紙のサブタイトルだ。「基本計画案」の表紙に示されたサブタイトル、前回は「〜循環経済への国家戦略〜」と表記されていたが、それを今回の計画案では「〜循環経済を国家戦略に〜」と

    書き換えている。表紙のタイトルは中身を具体的に表すものだ。ここに及んでの書き換えも思い切った措置だが、新たなタイトルからは国の「意志」のようなものを打ち出したように思える。

    7つの大項目立てる

    計画案の構成は1.から7.までの大項目を立て、それぞれの大項目についていくつかの中項目を入れ込んで作られている。たとえば大項目4.の「各主体の連携と役割」では4.1各主体の連携と、4.2各主体の役割といった中項目があり、4.2では4.2.1国が果たすべき役割、4.2.2地方公共団体に期待される役割、4.2.3国民に期待される役割――というように4.2はさらに6項目に分類して記載している。他の大項目も構成は同じだ。前段で書いたが別紙1〜3を含めてトータル150ページというボリュームになる。

    指標や数字が入れられた

    今回の計画案ではこれまで見られなかった「循環型社会形成のための指標・数値」が入れられた。ただまだ完全とは言えないが、これが最終的な計画案ということで入れたのだろう。

     ・ 循環型社会ビジネスの市場規模2030年度に80兆円以上 ・ 「レアメタルを含むe-scrapのリサイクル量を2030年に約50万トンに増加(2020年比5割増)」
    ・ 家庭から廃棄される衣類の量を2030年度までに2020年度比で25%削減
    ・ 紙おむつリサイクルの実施・検討を行った自治体の総数150自治体
    ・ 1人1日当たりのごみ焼却量2030年度までに約580g
    ・ 廃棄物エネルギーを外部に供給している施設の割合2027年度までに46%
    ・ 長期広域化・集約化計画を策定した都道府県の割合2027年度までに100%
    といった数値目標が入れられた。

    今後増える外国人への対応必要

    委員からの意見としては、末吉委員(エシカル協会代表理事)は「多くのパブコメが寄せられた。国民の関心は高いと思う。で、今後は外国人を含む多様な生活者が増えると考えると、例えば各ルールの表記の工夫だとか、各自治体が重視する循環施策の説明を分かりやすくする必要があると思う」と外国人への対応の必要性を指摘した。
    また経団連関係者からは「政府においては省庁横断、産業界連携の下循環型社会推進をお願いしたい」と要望。
    部会は最後に酒井部会長が自分からの希望として発言した。「基本計画案は150ページという大部なもの。パブコメにはもう少しコンパクトな分かりやすいサマリーをという意見が多かった。今後検証していきたい」と締めくくった。

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  • 令和6年4月9日開催 中央環境審議会循環型社会部会 第54回

    環境省の中央環境審議会循環型社会部会は4月9日に開催した会合で、前回に引続き「第五次循環基本計画(案)」を審議した。前回は循環型社会全体に対する取組み指標や数値目標などを入れこむ作業に苦慮していたためこの部分は空白になっていたが、今回示された案ではある程度数字が入って形が出来上がった感じだ。計画案は委員の意見を踏まえて修正されたのち意見募集(PC・パブリックコメント)に付され、さらにPCの意見を参考に修文が加えられ今年夏ごろに答申、閣議決定の運びとなる見通し。

    循環経済への国家戦略

    「循環基本計画案」は全体で135ページと大部なもので、さらに別建てで「指標の目標設定の検討方法及び結果」20ページ、「指針案の概要」31ページが加わるので総体で200ページ近い「資料」になる。作る方もそうだが、読み下す方も骨が折れる作業になる。

    今回「基本計画案」のサブタイトルとして〜循環経済への国家戦略〜という言葉が示された。これが全体としてのテーマを表しているのだろう。

    1から7までの大項目を建てた「基本計画案」は、1では「我が国の現状・課題と、解決に向けた道筋」を6つに分けて述べており、2.では「循環型社会形成に向けた取組みの中長期的な方向性」として5つのカテゴリーに分けて記載している。

    具体的な数値目標入る

    前回示した基本計画案と大きく異なる点は6.1の「循環型社会形成に向けた取組みの進展に関する指標」に、具体的な数値目標がある程度入ったことだ。たとえば「循環型社会ビジネスの市場規模」として、2030年度を目標年次として80兆円以上と打ち出した。また「多種多様な地域の循環システムの構築と地方創生の実現に関する指標」の中には、2030年度目標年次として「1人1日当たりごみ焼却量」を約580gとしている。「焼却量は地域によりバラツキがあるが全国平均値を出した。示すことでウチは進んでいるとか、遅れているとかわかるようにしている」(環境省)。

    循環経済って何?前回の指摘を修正

    前回の会合で多くの委員から質問が集中したカ所があった。1.1.2の「循環型社会における循環経済の位置づけ」の中にある次のような一文だ。

    ――循環経済とは、その価値を維持、回復又は付加することで資源や製品を循環的に利用する経済システムであってライフサイクル全体での製品等の長期利用や再使用及び循環資源の再生利用によって資源投入量や消費量の最小化につながる――

    委員からは「循環経済は、その価値を……の、そのとは何を指しているのか分からない」という指摘があり、他の数名の委員からも同じ意見が出された。

    それが今回の計画案では次のように修文された。

    ――循環基本法において、(略) 循環型社会の形成の最大の目的は、環境基本法第4条で規定する「環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会」の実現を推進することであるとされており、循環型社会は経済を包含する概念として整理されている―

    パブコメに付される

    基本計画案はボリュームがあるものだから、事務局は前回からの修正部分さらに新たに加味したカ所などの説明にかなりの時間がとられたが、委員からはいくつか質問が出された。しかし基本計画案は方向性としては各委員とも異論がないようなので、酒井座長は事務局と相談の上、パブリックコメントの手続きに入らせていただきたいとし、委員の了承を得た。



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  • 令和6年2月16日 「食品循環資源の再利用の促進に関する基本方針の改正」を環境大臣へ答申

    令和5年12月に環境大臣から中央環境審議会に諮問があった「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改正」について、去る2月16日、中環審から環境大臣へ答申された。食品リサイクルをめぐる食料安全保障の強化、CN(カーボンニュートラル)の動向を踏まえ、食品循環資源のエネルギー利用の推進等の位置づけに関して基本方針に盛り込むことが適当な事項が示されている。改正のポイントといえる。

    エネルギー利用の推進を明記

    「基本方針におけるエネルギー利用の推進等の位置付け」に関して示された具体的対応を受けて基本方針に追記することが適当とされた内容は、以下のとおり。

    1.エネルギー利用の推進

    ▼エネルギー利用の推進に関連する動向として、食料安全保障の強化が重要課題となっており、生産資材の国内資源への代替転換の推進に資する食品循環資源の再生利用等の取組のより一層の促進が求められていることを追記。

    ▼2050年CNや2030年度削減目標の達成の観点から、食品循環資源の再生利用等を通じて温室効果ガスの排出削減にも貢献することが求められていることを追記。

    .焼却・埋立ての削減目標

     再生利用等未実施の食品廃棄物の存在を認識し、再生利用等実施率を高める意識がより働くようにする観点から「焼却・埋立ての削減目標」を参考値として設定する。

    .食品関連事業者以外の者からの食品廃棄物の削減の重要性

    ▼食品関連事業者以外の者も再生利用等に努める必要があり、持続可能な社会を構築していくためには社会全体での取組が重要である旨をさらに強調する。

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  • 令和6年2月16日意見具申 静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築

    中央環境審議会でこれまで検討されてきた2つの施策が2月16日という時を同じくして中環審から環境大臣に「意見具申」されたり、また「答申」されたりと、慌ただしい動きを示している。意見具申されたのは「静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築」。もう一つは「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の改定」の答申だ。2050年CN(カーボンニュートラル)、さらに2030年CNによってすべての施策が包摂されてしまった感がある。廃棄物処理・再資源化の処理システムが大きく変わろうとしている。

    2月16日に環境大臣へ意見具申

    「静脈産業の脱炭素型資源循環システム構築」は、令和5年7月以降、小委員会(酒井伸一小委員長)で審議されてきており、パブコメ(意見募集)を行い、さらにパブコメの結果説明と、それについての意見を委員に求めるための小委員会を1月22日に開くなど、かなりの念の入れようだった。それだけ環境省も力を注いでいる施策ということなのだろう。

    2月16日に中環審から環境大臣へ意見具申された同システム構築の施策の内容については、たびたび掲載してきたが、施策では国が特に推進すべきものとして4つの類型を挙げている。何回か触れてきたのでここでは割愛するが、4つのパターンの「それぞれの分野に応じたプレイヤーの取組に対して国が認定等を行うことにより、廃棄物処理法に基づく各種手続きの迅速化や、GX の実現に向けた設備導入支援等の各種投資支援策を行い」「高度化の担い手として、静脈産業全体の底上げを進める」としている。

    静脈産業にとって大きなターニングポイントになるか

    この場合、「国が認定する」ことに注目が集まっているようだが、この仕組みはもっと広く大がかりなものなのではないか。読み落としていたが、実はこの施策の中には「再エネ設備やリチウムイオン電池のリサイクルが必要」との記載もある。地方自治体の一般廃棄物処理と民間の具体的な連携内容や、地域課題の解決や暮らしの質の向上への貢献、事業継続の確実性といったことについて触れており、新たな仕事をつくって地域を興すという意味合いが強いように思われる。静脈産業にとって大きな分岐点、ターニングポイントになるかもしれない。

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