審議会等情報
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  • 平成30年12月17日開催 食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会、中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会(農水・環境省合同会合第19回)

    合同会合のまとめにあたる「今後の食品リサイクル制度のあり方について」(案)が事務局より提示された。大きなテーマは食品廃棄物の発生抑制・再生利用等を推進するための具体的施策。定期報告データの公表、発生抑制、再生利用、食品ロス削減などについて記されているが、17日の合同会合では、排出事業者責任、外食産業の再資源化、熱回収の位置づけ――などが主な議論となった。制度のあり方(案)は委員の意見を踏まえて、一部分修正されパブリックコメント(意見募集)にかけられることになった。

    「制度の在り方」(案)ではまず、食リ法制度の前回の見直しから4年が経過した中で、第4次循環基本計画の記載に基づき、事業系の食品ロスの削減目標を定める必要が生じた。本来なら5年ごとの見直しだが、こうしたことから1年前倒しで今回、合同会合を開催して審議するに至ったと経緯を説明している。

    食品廃棄物の発生抑制・再生利用の現状と課題

    「食品廃棄物の発生抑制・再生利用の現状と課題」では、年間100トン以上の食品廃棄物を排出する事業者の定期報告結果によると、発生抑制は一部事業者を除き概ね目標達成がなされているとしているとしており、再生利用でも、食品製造業、食品卸業、食品小売業の3業種は平成31年度目標値を達成ないしは目標値に近づきつつある。だが、外食産業だけはかなり低調。外食産業は目標値50%に対して平成28年度時点で23%にとどまっている。再生利用が進まない理由としては「周辺に再生利用事業者が存在しない」「市町村の一廃処理手数料と比べて再生利用事業者の処理料金が高い」「食品廃棄物の発生量と肥飼料の需給が合わない」「再生利用事業者の施設が迷惑施設として地元の理解が得られない」などを挙げている。近年は「登録再生利用事業者ならびに再生利用事業計画認定(リサイクルループ)両制度」ともに、横ばいないしは減少傾向にある。
    食品廃棄物は再生利用促進とともに、適正処理を徹底することが重要だが、平成28年1月には登録再生利用事業者による食品廃棄物の不正転売事案が起きた(ダイコー事件)。「この事件は廃棄物処理法の指導権限が及ばない第三者が関与していたと思料される」としており、こうした事案の再発防止に向け平成29年に廃棄物処理法及び食リ法の判断基準省令を改正した。さらに平成29年1月に「食品関連事業者向けガイドライン」が取りまとめられ、同年3月21日には廃棄物対策課長及び産廃課長名で「排出事業者責任の徹底について」の通知が発出された。が、食品関連事業者のアンケート結果によると、ガイドラインに示された取組みのうち、排出事業者責任の徹底に係る項目の実施状況が不十分であることが判明している。

    発生抑制・再生利用を推進するための具体策

    発生抑制・再生利用を推進するための具体策について、ここでは踏み込んだ表現は見られない。「発生抑制対策」としては、「食品のサプライチェーン全体でその削減に取り組んでいくことが重要」としており、また市町村においては「一般廃棄物処理計画において、食品廃棄物の再生利用等を適切に位置付け、その促進のための方策を講じていくことが重要である」といった、原則論的な書きぶりになっている。
    「定期報告データの事業者ごとの公表」については、年間の食品廃棄物発生量が100トン以上の事業者を対象にしているが、外食産業は少量発生の事業社数が多い。このため外食産業については「精度よく食品廃棄物の発生や再生利用の状況について把握できることが重要」としている。
    「発生抑制の目標値」については、既に目標値が設定されている31業種は概ね9割の企業が達成しており、目標値が設定されていない44業種については最新のデータを精査し、目標値の設定が可能かどうか再度検証する。
    発生抑制の取組みを一層促進するため、とくに可食部の「食品ロスの削減目標」を定めることが重要であるとしており、需要予測サービス普及による在庫の適正化、フードシェアリングなどによる食品提供事業者と消費者のマッチング、さらにフードバンク活動の推進対策を進めることが有効としている。とくに外食産業においてはドギーバッグの導入の取組みを勧めている。
    「再生利用実施率」については外食産業がポイントになる。食品廃棄物発生量100トン以上の外食産業の再生利用実施率は38%と比較的高いため、「対策を講じる上では多量排出事業者とそれ以外に分けて検討することが重要」としている。
    「登録再生利用事業者制度」は、登録業者からメリットが登録に伴う事務負担に見合わないとする声も聞かれることから、事務負担軽減の検討をする。
    また、食品廃棄物の再生利用促進への市町村の対応としては、地域循環共生圏の実現に向けた取組をする上で一般廃棄物処理計画に再生利用の推進方策を位置づけることが必要とした。
    「適正処理の徹底」については、排出事業者自らが廃棄物処理の根幹的業務を実施していく体制の整備が必要だが、これを踏まえ国は、食品関連事業者に対して、例えば不正転売事件を受けて改正された判断基準の省令の遵守に係る取組みの状況を公表するなど、排出事業者責任の徹底を求めていくことも重要としている。
    なお、「家庭系食品ロスの削減」について国においては、事業系食品ロスとあわせて、家庭系食品ロスの削減目標実現のための計画をとりまとめるとしている。

    アドバイスする専門職を廃掃法の中で認知すべき

    事務局からの「案」の説明に関して全清連の山田委員はダイコー事件に鑑み「排出事業者責任の徹底についての指導はどうなっているのか」と質問。また石川委員(神戸大学教授)は、指導権限が及ばない第三者が介在することについて「廃掃法全体についてコメントしたい」と次のように語った。「第三者、いわゆるコンサルですね。排出者責任の徹底はその通り。そして小規模食品事業者がリサイクルを進めるのは困難ということで議論してきた。廃掃法と食リ法の正しい知識をもって運用してもらうということだが、小規模事業者にそれを求めるのはどうか。大規模事業者なら本社機能があるから可能だろうが。現実的に(小規模事業者に)そこまで求めるのは無理かなと。山田委員が言ったように、規制が及ばないとなると悪い方向に行く。今後考えてほしい。排出事業者責任の徹底はそうなんだが、出来ないことを要求しているのではないか。専門知識を出してアドバイスするという人を廃掃法の中で認知するというのが私の意見です」。
    この意見に山田委員も賛同。「会計士は我々をサポートするということで(仕事を)やっている。しかし(廃棄物の)管理会社はすべて任せてくれと。なぜ廃棄物の分野だけどんどん(管理会社が)入ってくるのか。(小規模排出事業者を)サポートしてやるのは大切なこと。廃掃法の中に組み込んで責任ある立場でやることも考えてもいいのでは」と述べた。
    牛久保委員(日本有機資源協会)は「食リ法制度で運用している現場で、(排出事業者責任を)どれだけ理解しているのか。廃掃法あって食リ法ということをもう少し書き込んでいくともう少しはっきりすると思う」とした。

    熱回収を求める意見も

    食品産業センターの今井委員は熱回収について意見。「食品は(熱回収時に)カーボンニュートラルだ。熱回収をもっと評価してもらいたい。容器に入った食品廃棄物が排出されるものもある。食品廃棄物処理は熱回収も大事だと書いてもらいたい」。杉田委員(杉田建材)も熱回収を評価する。「施設つくるとき、肥料化施設はできないが熱回収の施設なら出来るということもあり得る」。

    事業系食品ロス削減目標設定の考え方

    合同部会の主眼テーマである「事業系食品ロス削減目標設定」については、考え方として示した。①過去の取組みを評価すること。②第4次循環基本計画において、家庭系は2000年度比半減目標を掲げたことを踏まえ、整合性をとる必要がある。③諸外国との比較及び食品ロスの捉え方の整合性を図る。たとえばEUや英国は飼料化することが食品ロス削減手法として位置づけられているが、日本では飼料化は食品ロス削減の手法とはならない。ほか。

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