審議会等情報
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  • 令和4年1月14日開催 産構審・中環審合同会合 家電リサイクル制度検討委員会

    施行から20年を経過する「特定家庭用機器再商品化法(家電リ法)」は施行後5年ごとに制度の検討、評価、見直しなどを行うこととなっている。その見直し時期となったため環境省中環審と経産省産構審の家電リに関わる合同委員会は、関係者のヒアリングを含め昨年4月より6回にわたり議論を行ってきた。「対象品目」「ネット販売業者への対応」「不法投棄対策」「回収率の向上」「再商品化費用の回収方式」などの課題が議論され今回、報告書(案)として取りまとめされた。エアコンの回収率を引き上げることで、2030年度までに廃家電4品目合計の回収率を70.9%以上とするとしている。また、有機ELテレビを対象品目として追加する方針も示された。なお、大きな課題として提示されたリサイクル料金回収方式に関しては、今回は変更しないものの継続審議とした。

    再商品化費用の回収方式、現状維持も継続審議

    今回の合同会合で指摘された案件をまとめると、①対象品目の追加。②ネット販売・通信販売(EC事業者)など多様な販売形態をとる小売業者への対応。③回収率向上について。④再商品化費用の回収方式について、など7項目になる。 なかでも「再商品化費用の回収方式」は大きな課題として出席委員(主に量販店や自治体関係者)から指摘された。現状のリサイクル料金の後払い方式(排出時払い)を、前払い方式にすべきで、そうすれば回収率も向上し、不法投棄も減少するということからだ。これについて委員会では、回収率実績は令和元年度に64.1%と、平成30年度に設定された回収率目標値56%を大幅にクリアしている。また不法投棄台数も減少傾向にあることから、現時点では直ちに料金制度の変更が必要になるだけの問題が生じているとは考えられないという意見が多く、今回の見直しでは制度変更は行わないこととするが、回収率向上と不法投棄の減少は引き続き取り組むべき重要な課題であるとことから、検討会において今後も継続して審議することとなった。

    ネット販売事業者のデータ蓄積、立入りなど対応必要

    インターネットでの家電販売や通信販売などいわゆる「EC事業者」は、家電リサイクルの収集運搬料金の表示をしていないなど家電リ法違反の懸念がある。国が平成30年5月に実施したEC事業者(合計991店舗)の立入り調査では、「家電リサイクルの収集運搬料金の表示なし」が63%?96%という結果だった。こうしたところに行政指導を行った結果、ほとんどが「家電4品目の販売の取りやめ」「モール運営事業者による出品停止措置」という行動をとった。筑波大学教授の西尾委員は、「EC事業者の販売は今後増えていくと思う。規模が小さい業者も多く不安定。調査してデータを蓄積してほしい。モールサイトの運営者と連携して、立ち入り検査を行うとか。モールサイトと関わっていない業者については物流業者と連携して立ち入り検査を実施することも考えられるのではないか。物は必ず運ぶわけだから」と提案。経産省は「EC事業者のデータ蓄積はまさにその通り。現在やっているところ。物流業者との連携は検討したい」とした。

    回収率を2030年度70.9%までに引き上げる

    「回収率の向上」については、現状の回収率実績64.1%を2030年度には70.9%に引き上げる。ここでカギになるのがエアコン。家電4品目の回収率の中でエアコンを除く3品目は73?89.3%と高い実績を示しているが、エアコンだけが37.6%とかなり低い。これは「空き家」が増えており解体時に家電リルートに乗らないことや、EC販売のエアコンも家電リルートから外れていることからではないかと推測される。エアコンは銅やアルミなど高価格の金属が使われているためスクラップ業者へ入るケースが多い。このため回収率引き上げの具体策として、スクラップ業者によるエアコンの引取り台数を現状の312万台から156万台へ半減することをめざし、半減した分を家電リルートに回す。こうすることで2030年度の家電4品目の回収率目標を64.1%から6.8%増やして70.9%にするとした。 なお、家電リへの品目追加としては「有機ELテレビ」加えるとしたが、市町村などから追加要望があった電子レンジ、マッサージチェア、オイルヒーター、冷媒ガスを使用した除湿器などについては家電リ法の要件を満たしていないとして見送られた。

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  • 令和3年8月24日開催 産構審・中環審合同会合 家電リサイクル制度検討委員会

    経産省産構審と環境省中環審の家電リサイクル制度の点検合同会合が8月24日、リモート方式で開催された。前回会合(7月6日開催)で意見が上がった電子レンジなどの品目の追加、またエアコンの回収率向上と不法投棄対策などを議論した。なお料金問題は次回集中して行う。

    家電リ法の要件満たさず品目追加は困難

    家電4品目以外でも多くの家電が不法投棄されており、しかも市町村による再資源化が困難などから、有機ELテレビ、電子レンジ、マッサージチェア、オイルヒーター、冷媒ガスを使用した除湿器といった製品の「品目追加」が要望として出されていた。これについて事務局が検討を加えた結果、有機ELテレビは家電リ法の品目に取り入れるものの、他の製品は家電リ法の要件を満たしていないとして品目追加は困難と示した。 具体的には、品目追加には家電リ法の4要件(処理困難性、再商品化の必要性・経済性など4要件)に該当することが条件となっているが、追加品目として要望があった製品はこの4要件のいずれかを満たしていないというのがその理由 。

    今の社会環境は当時と違う。なぜ追加できないのか

    事務局の説明に対して河口委員(不二製油グループ)は異論をぶつけた。「4条件に合っていないので今回は品目追加しないと。説明聞けば納得はするが、4条件つくった時の社会環境と今の環境はちがう。レジ袋も有料化という時代になってきて(追加の製品に)プラスチックが多いからダメだとか、シュレッダーにかけるからダメだとかという理由で家電リ法に適さないということが (社会的に)通るのかと。資料の中でサーキュラエコノミー(CE)が書いてある。こういうことが必要だと書いてあるけど、CEを考えるんだったら、4品目だけではなくてもっと幅広にやるんじゃないのかって普通の人は思うんじゃないのかな」 「CEは資源のあり方とか、資源の使い方、資源の流れを変えましょう、社会を変えましょうという話ですよ。特定の品目だからという発想ではない」「資料では都合のよいところだけCEを使っているのかなと。CEと家電リ法の関係の中で、何で追加できない品目がこんなにあるのかお尋ねしたい」。

    新たな回収目標率を提示、不法投棄で自治体調査

    また事務局は回収率目標設定案を示した。エアコンの回収率を2019年の37.6%から2030年には53.9%に引き上げることによって、他の品目の回収率を据え置いても2030年には4品目合計で64.1%(2019年)から70.9%(2030年)に達するというものだ。さらに不法投棄では、市区町村にアンケート調査を実施し、私有地などに不法投棄されているため自治体では回収不可能な件数・台数を取りまとめた。1353市区町村から回答があり、934件、2057台が回収できずという結果だった。

    不法投棄減らないし、回収率も伸びない

    「ここで示されている不法投棄はごく一部。まだまだある」という意見が複数の委員から聞かれる中で、長年不法投棄の現場を見てきたという伊藤委員(家電製品協会)は次のように述べる。「不法投棄の中心になっているのは不法回収業者とヤード業者です。彼らにとって一番おいしいのはエアコンなんです。不法業者とヤード業者をきちんと取り締まれないと、あるいは把握できないと回収率向上は絵にかいた餅にしかならない」。 河野委員(ジャーナリスト)も同意見で「不法業者とヤード業者の実態調査が難しければ対策をとるのは容易ではない。なぜかというと反社会的勢力の人たちが絡んでいるケースがあるから。廃プラの問題もそうです。いつまでたっても不法投棄の問題は表面的な扱いだけで終わってしまう。簡単な問題ではないが、どういう扱いをしたらいいのか考えないといけない」と述べた。 事務局がまとめて回答した。品目追加については、「家電リサイクルのプラントは毎年300万台程度が入ってくるという前提で運営されている。今回の製品は数が少ないのでコスト的に難しいかと」。不法業者については「とりわけエアコンはどのようなルートで流れているのか実態把握ができていないのは確か。エアコン回収率が上昇しないという問題はご指摘の通り重く受け止めたい。難しい課題であることは認識している」とした 。

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  • 令和3年8月23日開催 中環審・産構審プラスチック資源循環戦略合同会議(第10回)

    本環境省中環審と経産省産構審によるプラスチック資源循環施策の第10回合同会議(Web形式)が 8月23日開催された。前回の会議(8月2日開催)では「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の政省令の策定に向けた検討事項について協議をしたが、今回それを踏まえた形で事務局が具体的な政省令案を提示した。資料は国、自治体、消費者、事業者等々プラスチック資源循環への各関係主体の取組みが記載されているが、固まっていない部分も多い。さらに33ページにわたり「文字中心でびっしり書き込まれている資料のためポイントを抑えるのが難しい」との委員からの指摘も。事務局の環境省も委員から出された意見や質問に答える中で、各項目の要点を解することの難しさについて触れ今後、「説明の段階で工夫したい」と述べた。今回示された政省令案は委員の意見を踏まえて、委員長一任で修文されたのちパブリックコメントにかけられる。

    基本方針で各関係主体の取組み事項を示す

    政省令・告示案は前回の会議で示されたものと違ってページ数が多い。33ページと前回資料よりも15ページ増えている。構成は、①主務大臣による基本方針の策定、②プラスチック使用製品設計指針、③特定プラスチック使用製品の使用の合理化、④市区町村による分別収集・再使用品化、⑤製造事業者等による自主回収・再資源化、⑥排出事業者による排出の抑制(判断基準)、排出事業者による再資源化等(再資源化事業計画)となっている。 「基本方針の策定」「基本的方向性」で9ページを割いており、基本方針では「海洋プラスチック問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等の対応を契機として、国内におけるプラスチック資源循環を促進する重要性が高まっている」とし、基本的方向性では「プラスチック資源循環に向けてすべての関係主体の参加、連携して取り組む」ものと記載。「プラ資源循環戦略」(19年5月31日策定)で掲げた「マイルストーンの達成をめざし、各関係主体の取組み状況の把握、全体の進ちょく状況を検証していく」などと示した。こうした方向性を踏まえ上記の②~⑥における各関係主体が取組むべき事項をそれぞれ記している。なお、国の役割分担・取組みとして、プラ資源循環促進のため「必要な資金の確保等の措置を講じる」としている。

    「プラ製品設計指針」「特定プラ製品使用の合理化」

    プラ製造事業者による「製品設計指針」では、プラ製品の安全系や機能性など用途に応じて求められる性能ならびに長寿命化や製品のライフサイクル評価等々国が指針を策定し、指針に適合した設計を主務大臣が認定する仕組み。認定された製品は国が率先して購入する。「トップランナーたる者をしっかり認定していきたいと考えている」(経産省)。 「特定プラスチック使用製品の使用の合理化」は、商品の販売などに伴い消費者に無償でしかも多量に提供される使い捨てプラ製品についての合理化 (削減や代替素材への転換)を求めるもの。指定するのはプラ製の「フォーク」「スプーン」「ナイフ」「マドラー」「ストロー」「ヘアブラシ」……等々、「ハンガー」や「衣類用のカバー」も指定対象とする。提供事業者の業種としては、「各種商品小売業」「各種食料品小売業」「飲食食品小売業」「飲食業」「宿泊業」……等々のほか、「持ち帰り・飲食サービス業」「洗濯業」などとしている。事業者に使用の合理化に関する「目標を設定してもらう。その上で合理化の取組みをしてもらう。業態に応じて有効な取り組みをしてもらいたい」(経産省)。合理化の取組みは、例えば有償で提供するとか、断った消費者にポイント還元する、肉薄化や軽量化を図るなど様々な工夫が考えられる。なお、提供する特定プラ使用製品の量が5トン/年以上の「多量提供事業者」に対しては、取り組みが不十分の場合に勧告・公表・命令をすることができると規定した。

    「市区町村による分別収集・再商品化」は、手引きを作成する

    この法律のポイントとなる市区町村による分別収集・再商品化は、2つのルートがある。ひとつは「容リ法ルートの活用」、もうひとつは「再商品化計画」に基づき実施するもので市区町村による選別・梱包を省略することができる。 容リ法ルートを活用して行うケースは、市区町村が従来から実施している容リ対象プラに、製品プラも加えまとめて分別収集して、選別・梱包したものを容リ法の指定法人に再商品化を委託するという方法。どういうプラ製品を分別収集すべきか、分別収集物の基準については環境省令で定めることになっているが「先行して製品プラの回収資源化を行っている自治体を参考に、現場の状況を踏まえて分別収集の手引きを作成していきたい」(環境省)としている。また、市区町村は分別収集にあたってリチウムイオン電池その他の再資源化を著しく阻害するプラ使用製品廃棄物の混入を防止する措置を講じるとしている。 もうひとつの「再商品化計画」に基づき実施する方法は、市区町村と再商品化実施者が連携して行うもので、市区町村は分別収集物をそのまま再商品化実施者に委託して再商品化してもらうため、選別・梱包・保管が省略できてコスト負担が低減されるというメリットがある。再商品化にかかる費用は容リ協会から支払われる。ただしこの場合、分別収集物の「再商品化計画」(分別収集物の種類や種類ごとの見込量、実施期間、実施方法、実施費用の総額等々)を作成して認定の申請を行うことになり、主務大臣が認定した場合に実施可能となる。

    3年以内に検討の市区町村は、ほとんどが容リルートで実施

    環境省が今年7月20日~8月10日に行なった全市区町村への「プラスチック分別回収に関するアンケート」調査結果によると、法施行後3年以内に容リプラのみならず製品プラの回収を検討している自治体が72市区町村となっており、内訳は容リ法ルート:43、再商品化計画:3、未定26という結果だった。アンケートを行なった時点では、政省令の中身が見えていなかったが、未定を除くと46市区町村のうち容リルートを活用する市区町村は93%を占める。再商品化計画で実施はわずか3市区町村に過ぎないという結果だった。

    製造事業者による自主回収・再資源化

    製造・販売事業者が提供したプラ製品が使用済みとなったものを自主回収・再資源化する仕組みとしては、事業の内容や収集運搬施設、再資源化施設等々の事項を記した自主回収・再資源化事業計画を作成して認定申請する。その申請を主務大臣が認定した場合に自主回収・資源化事業を行うことができる。認定事業者は廃棄物処理法の許可が不要となる。

    排出事業者による排出抑制・再資源化

    産業廃棄物として排出されるプラ製品の排出抑制・再資源化は、主務大臣が排出事業者(小規模事業者を除く)に対して、排出の抑制や再資源化に取り組むべき判断の基準を策定する。産廃プラを多く排出する事業者(多量排出事業者=年間250トン以上排出)は勧告・公表・命令の対象になる。また、多量排出者事業者には、排出抑制・再資源化に関する目標を定め、これを達成するための取組みを計画的に行うことを求めていく。再資源化については排出事業者が再資源化計画を作成し、それを主務大臣が認定した場合、認定事業者は廃棄物処理法の許可が不要となる。なお、感染性のおそれがあるものや汚れている廃プラ、あるいは周辺地域に再資源化業者が存在しないなどで再資源化ができない場合は、熱回収を実施できるものとしている。

    出席委員の主な意見・質問と事務局の回答

    (市区町村の分別収集・再資源化に関する意見)
    ・分別収集のしやすさということでは、リチウムイオン電池が使用されているという表示や 分かりやすいマークなどを施せないか。
    ・リチウムイオン電池だが、輸入品も増えておりリチウム電池が入っているという表示が少 ないなかで、自治体は何をどこまでやればいいのか戸惑っている。これは私論だが、リチ ウム電池は市町村の一般廃棄物処理責任の範囲を超えている。抜本的な対策の検討が必 要と思う。
    ・自治体アンケートによると、まだ法制度ができていないのに5年以内にプラ製品の分別 収集・再資源化を検討するという市区町村、それも容リルート活用が43もある。再商品 化計画に基づいての検討はごくわずか。再商品化計画に基づくもののほうが市区町村の 経費負担は少ないのだが、域内にリサイクル業者がいないというのが大部分なのだろう。 これから各自治体がリサイクル施設の誘致、あるいは育成するということになるには少 し時間がかかるかなと。国においても支援をお願いしたい。
    ・容リルート活用で実施の自治体が多い。財政措置というが結果的に容リルートを活用して 全体のコストが上昇してしまうということになれば、それはもともとそういうものを目 指していたのとは違うだろうと。それ以外のルートとなるとどういう形で実施可能なの か。この資料を見る限り理解されにくい。
    ・容リルートの場合は容リ協会があるが、新法で新しいルートを開拓するとき、だれが音頭 を取ってまとめていくのか。市町村に期待しているとしたらビジネスとして成り立つの は難しい。

    (環境省・経産省の回答)
    ・リチウム電池の件は、プラ循環新法で受けきれる話とそうでないところがある。分別基準 について手引きをつくっていくことを考えている。正面からとらえきれないところがあ るが、大きな問題と思っている。
    ・自治体アンケートだが、回答数を少ないと見るか、多いと見るか。プラの一括収集を行う 時に、自治体の負担が増えるという指摘を踏まえて地方財政措置の要求をさせて頂こう と検討を進めていて、どれだけの財政需要があるのかという観点でアンケート調査を行 なった。既にこれだけの具体的検討があるということを踏まえてしっかり財政措置の要 求をしていきたい。
    ・再商品化計画ルートの検討が進んでいないというご指摘あるが、新しい制度でしかも詳細 を示さない中でなかなか難しいと思う。誰も見たことがない。社会システム、費用を含め て全体を考えて(市町村とリサイクラーが実施している)選別の重複のところに手を入れ るものですので、モデル事業ということで自治体の皆さんと一緒に考えていきたい。先行 してプラ会私有資源化を行っている自治体の例を参考に現場の状況踏まえて分別収集の 手引きを作成していきたい。

    (製造事業者・排出事業者の自主回収・再資源化、その他に関する意見)
    ・製造事業者の自主回収で大臣認定を行うという中では、納品の帰り便を使うなど動脈系物 流の工夫ができるように手続きの簡素化、弾力化、迅速化に努めてくれ。
    ・製造事業者の自主回収が自社製品に限るとなると、店頭回収がイメージされる。ただ小売 店は様々な商品を扱っている。特定のメーカーのものだけを回収するのは難しい。他社製 品も回収するということになると、他社製品はタダ乗りになる。
    ・容リルートについても容リ包装プラ以外は一種のタダ乗りになっているので、それに対す る負担が市町村にかかってくる。この法律は将来、タダ乗り防止、公正な競争をどう担保 するかは重要なポイントになる。
    ・再生資源の製品への利用は中長期的に重要なルールになると思う。製品に再生プラをこの 程度使っているというマークを表示することで消費者にアピールするというのが有力な ツールになると思う。
    ・全体としての取組みの定量的な把握と公開が必要。この法律は自主的な取り組みをベース にしているので、積極的にやる企業は公開するだろうが、それだけでは全体にならない。 調査が必要になるので考えてもらいたい。

    (環境省・経産省の回答)
    ・動脈物流を活用する上で何が必要なのか。よくよく調整させていただきたい。政省令で決 めたことのみならず、細かな運用のところでもしっかり配慮していきたい。
    ・タダ乗りについてはしっかりコミュニケーションしたい。他社製品も回収というのは、い ま企業でもコンソーシアムとか連携しながら実施している事例が出てきている。どうや って広げていけるか。他社製品も回収して取り組んでいるところが評価され支援が集ま るということを何かやっていきたい。情報提供、普及啓発に我々の役割があると思う。
    ・マークの表示の件。認定製品が世の中に出ていくので、どうやってそれをわかりやすくす るかの工夫が大事と思っている。

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  • 令和3年8月2日開催 中環審・産構審プラスチック資源循環戦略合同会議(第9回)

    本年6月11日に公布された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の政省令の策定に向けた検討事項について、環境省中環審と経産省産構審のプラスチック資源循環施策の第9回合同会議(Web会議)が 8月2日開催され討議した。委員からは様々な意見や要望などが出された。これを踏まえて環境省・経産省は、次回会合では政省令の(案)を示す予定としている。法施行は公布後1年以内と定められており、来年6月までには施行されることになる(続きは全清連会員のみ読むことが可能です)。

    設計から処理まで各主体に関する措置

    政省令・告示に向けた検討事項については「基本方針の策定」のほか、個別の措置事項として製品設計からプラスチック廃棄物の処理に関わるあらゆる主体について、主に次のような項目がある。
    ①プラスチック製造事業者が取り組むべき事項としては主務大臣による「プラスチック使用製品設計指針」が告示される。
    ②ワンウエイプラスチックのスプーンやストローなどを無料で提供している小売り・サービス事業者に対しては、過剰な使用の削減、代替素材への転換など具体的な取り組みの「判断基準を策定する」(主務省令)。
    ③大きなポイントである排出・回収・リサイクル、中でも市区町村の分別収集・再商品化に関してはやや複雑で、市区町村が容リルートを活用して分別収集・再商品化を行う場合と、市区町村と再商品化実施者が連携して行うケースとがある。市区町村と再商品化実施者が連携して行うケースでは適正な処理を担保することなどを考慮して「再商品化計画の認定」(省令)を定めることになる。また、製造・販売事業者が自主回収・再資源化を実施する場合は計画を作成し、主務大臣が「要件に適合する計画の認定」を行う仕組みを設ける。

    分別収集・再商品化は市区町村に2つの方法が

    分別収集・再商品化の部分について、当日の環境省の説明(概略)はこうだ。
    ――市区町村による分別収集・再商品化は、容リルートを活用してもいいし、あるいは選別一体合理化(選別・梱包を省略できるという意味)というメリットを生かしてもらうといった取組みでもいい(この場合は再商品化計画の作成と認定ということになる)。
    容リルート活用の場合、分別収集物の基準(環境省令で定める)に適合したものについて容リ法の指定法人に委託できるとなっている。で、容リルートを活用するということになると、容リ法に基づく分別基準との整合性が問われるし、分別収集の質の確保という点も議論になると考えている。リチウム電池など異物混入対策も(検討事項として)必要としている。
    また、中間処理工程の一体化・合理化ということでは、(市区町村の)選別・梱包が省けるようにという提言が(委員会で)出されましたので、そこについて法律になっている。市区町村は再商品化事業者と連携して再商品化計画をつくる。認定要件は主務省令で定める基準などありますが、この計画を申請してもらい、基準に合致したものを主務大臣が認定した場合に、市区町村による選別・梱包を省ける。
    で、この場合は、容リ法上の分別基準適合物ではないのですが、容リ法の分別基準適合物とみなすとなっていますから(法第35条)、再商品化費用は指定法人から支払われる――

    分別収集・再商品化に対する委員からの意見や要望

    出席した委員からは様々な意見や要望が出された。なかでも分別収集・再商品化に関しては次のような意見が聞かれた。
    ・このままいくと容リプラにいろんなプラが分別収集されて加えられ、再商品化の質が低下するんじゃないかと。市町村の独自ルートというものも含めて工夫ができると思うので、ぜひ活用してもらいたい。
    ・一括収集について分別収集や再商品化計画策定に関する具体的な方法や手順が明らかになっていない。具体的内容についてガイドラインなどで早急に示してほしい。
    ・リチウムイオン電池について、設計指針の中で分離可能な構造にするとか盛り込めないか。
    ・自治体が中間処理を省略できるのは、自治体の中にそういうリサイクラーがいる場合であって、(リサイクラーが)いなければほとんどが容リルートを活用してやらざるを得ない。すると自治体に中間処理費の負担がかかってくる。支援措置をお願いしたい。
    ・費用負担は自治体と特定事業者になると思うが、実態と乖離がないよう慎重な検討を。
    ・熱回収は重要と思うので、再資源化が困難な場合は熱回収が有用であるということを政省令で明確化してもらいたい。

    こうした意見を含めて環境、経産両省は、まとめた形で答えたが、次回開催の会合では政省令(案)を示すとしている。法律の中身がより具体的になっていく。

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  • 令和3年7月6日開催 産構審・中環審合同会合 家電リサイクル制度検討委員会

    家電リサイクル法制度を検討する環境省中環審と経産省産構審の合同会合が7月6日開催 (リモート形式) された。前回の会合(6月11日)に続き今回も関係者からのヒアリングを実施し、それに関する質疑応答と議論という展開だ。ヒアリングを受けたのは自治体など4団体で、議論は前回会合で「宿題」となっていたリサイクル料金の支払い方法が中心だったが、委員の間で意見に相違がみられ平行線をたどった。また不法投棄問題も俎上にあげられた。国のデータに示されていない潜在的な投棄台数が多いとする問題提起だ。

    自治体は前払いを要望、対象品目の拡大も

    ヒアリングを受けたのは、町の電気屋と自認する「全国電機商連」、自治体は「長野県」、「亀岡市(京都府)」、そして市民団体である「元気ネット」の4団体。
    全国電機商連はリサイクル料金の支払い方式について、「組合員の意見としては、前払いになると混乱するのではないか、料金の支払い方式だけで不法投棄が無くなるというものではないと思うという声が多く、現状のままでよいというのが大半」と説明。
    自治体は、現行のリサイクル料金の後払い方式が不法投棄につながっているという見方だ。長野県は不法投棄対策として住民を不法投棄監視連絡員に任命するなど、いくつかの施策を取り入れているため、不法投棄台数は令和元年度で562台と減少傾向を示している。ちなみに環境省の調査によると1万人あたりの不法投棄台数は4.1台となっており、これを長野県の人口に当てはめると844台になる。県内の市町村からは、リサイクル料金の前払い制度の導入の要望が約80%を占めている。
    京都府亀岡市は、同市が「京都市、大阪府、兵庫県に隣接しているためと思うが、山間部の目につかないところの不法投棄が後を絶たない。私有地での不法投棄も多く、所有者・管理者の回収が原則であるためそのまま放置されるケースがほとんどである」と述べた。亀岡市は、全国市長会の意見として、不法投棄対策への要望、それに関連してリサイクル料金の「前払い方式」の導入、「対象品目の拡大」などの要望を提出した。

    平行線たどる支払方法、議論まとまらず

    各委員からはリサイクル料金方式について、前払い支持と後払い支持に分かれたが、議論はまとまらず平行線となった。
    大手家電流通協会の高橋委員は、「店舗の駐車場に(廃家電が)投棄されている。不法投棄のリスクを冒してまでやるのは料金負担しか考えられない。(投棄すれば)無料というインセンティブがある限り不法投棄はなくならない。社会構造の変化が起きている。いまの制度がサスティナブルなのか」と製品価格にリサイクル料金を組み入れるべきと主張。
    一方、電子情報技術産業協会の小原委員は前払い方式の問題点として、「購入時に(リサイクル料金が)支払われている間に、輸入業者や製造業者が倒産する場合がある」「リサイクル料金を先にもらうと、そこに法人税がかかる。運営費がかかり、社会的コストが増えるので、消費者の理解が得られない」などを上げた。
    社会的コストということについてビックカメラの川村委員は、「料金制度はどちらが安いかということ。管理コストが膨大になるというが、どのくらいになるのか数字が示されていない。社会的コストを出して比較して、お互いが納得すればいい」とコスト分析して比較すべきと述べた。

    見えない不法投棄台数がかなりある

    不法投棄に関しては、環境省が出しているデータは自治体が回収した台数であって、私有地に投げ捨てられているものは立ち入ることができないためカウントされていない。こうした「潜在な不法投棄台数はまだまだある」と桂川氏(亀岡市)は指摘する。ジャーナリストの河野委員は不要品回収業者がまだ多いとの意見が出されたことを受けて、「個人的には廃家電Gメンみたいなシステムがつくれないかなと」意見。石川委員(神戸大学名誉教授)は「見えない不法投棄が数多くあるのは問題。サンプリングでもいいから調査が必要だ」とした。

    次回から個別議論を整理

    最後に中環審の田崎座長(国立環境研究所)が、「前払い・後払いの議論多かったが、これは意見多数でまとまらない。前払いは収集費用も含むのか、何が問題なのかを絞って議論すべきと思う。次回から個別議論を整理していく」。

    産構審の細田委員長(中部大学教授)は、「高度な資源循環を目指すには、いまのリサイクルの中身でいいのか」と別の角度から問題提起した。

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  • 令和3年6月11日開催 産構審・中環審合同会合 家電リサイクル制度検討委員会

    家電リサイクル法に基づく、家電4品目のリサイクル制度の状況や課題などを審議する経産省産構審と環境省中環審の合同会合がリモート方式で6月11日開催された。製造業界や大手家電量販店業界からのヒアリングを行った当日の会合では、リサイクル料金を製品価格に内部化するよう量販店業界から要望が出され、次回会合では改めて議論することになった。また、家電リサイクル券のデジタル化への対応、有機ELテレビの対象品目化、エアコンの回収率向上方法などへの対応も課題としてあげられた。

    家製協ヒアリング、再資源化の課題等

    新型の家電製品が出回ると買い替え需要が起きてそれまで使っていた家電が排出される。全国に44カ所の家電リサイクルプラントを配置する家電製品協会は、再資源化の取組みを報告する中で新旧家電により使用される材質が変化するためその対応に苦慮する面も指摘する。10年前から製造されていない「ブラウン管テレビ」は、減ったとはいえ100万台近くが排出されている(令和元年度)。これを再資源化する場合、「ガラスの部分は鉛の含有量が多いので、鉛精錬所でお金を付けて処理してもらっている」(家製協)状態で、家電4品目の中ではリサイクル率71%と最も低い。
    また、「ガラスドア冷蔵庫」や「大型パネルテレビ」「有機ELテレビ」といった今までになかった新製品も発売され、人気が集まっている。これらは商品性は向上するものの、リサイクル性とは二律背反の関係にあるといえる。さらに破砕などで生じる「ミックスプラスチック」の再資源化も課題のひとつにあげた。

    大手家電販売業界が要望、リサイクル費用の内部化

    大手家電販売業界は「家電リサイクル券の業務」や「リサイクル品の引取り業務」などについて報告。要望を提出した。リサイクル券は手書きのため、書き損じや紛失、品目誤りなどによる過不足金の集金・返金などのイレギュラー業務もあることから「リサイクル券の電子化」を求めた。
    大きな課題としたのは「リサイクル費用の回収方式」について。現在は消費者が排出時にリサイクル費用を支払う方式になっているため、見えないルートへの流失や不法投棄に歯止めがかかっていない。製品価格に内部化することが最も有効と思われると指摘。費用回収方法について検討の場を設置してもらいたいとした。

    リサイクル料金の徴収、改めて議論

    議論はリサイクル費用の徴収方法が主だったものだった。「20年間この制度を運用してきて、社会的に認知されている。不法投棄も減っているし、リサイクル率も上がっている。料金徴収の変更は混乱をきたす」と平岡委員(冷凍空調工業会)は現状維持を主張。家製協の伊藤委員も「前払いだから不法投棄がなくなるというわけではない」と反対意見。
    これに対して高橋委員(大手家電流通協会)は「リサイクル費用含めた形で(メーカーは)出荷してほしい。20年間うまくいっているという意見があったが、これまできちんと議論されてこなかった。別途検討会を設置して一定の結論を出してほしい」とした。

    最後に細田座長は、料金の徴収方法についてはこれまでも議論してきたはずとしながらも「料金の徴収方法は関係者の共有化が必要」と述べ、事務局にリサイクル費用に関するこれまでの歩みをまとめて資料にするように指示。改めて議論するとした。

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  • 令和3年1月28日開催 中環審・産構審プラスチック資源循環戦略合同会議第8回

    「プラスチック資源循環施策」の第8回合同会議(リモート形式)が 1月28日開催された。

    これまで会合のたびに修正を行ってきた「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)」が前回の合同会合(令和2年11月20日)で了承され、一部修正された後パブリックコメント(パブコメ・意見募集)にかけられた。パブコメに寄せられた意見数は313件とかなり多い。28日の合同会議ではこのパブコメの意見を踏まえつつ議論した。翌29日には合同会合で取りまとめられた「プラ資源循環のあり方」が中環審会長から小泉環境大臣に答申された。両省は、この「プラ資源循環のあり方」に記された方針の具現化に向けて、今通常国会に法案を提出すべく準備している。

    パブコメに寄せられた313件の意見は貴重

    最終稿となった「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)」が事務局から示された。パブコメにかけられたものだが、文言を付け足し丁寧な説明になったところが少し見える程度で本筋は変わらない。この「あり方について」をパブコメにかけたところ、313件という多数の意見が寄せられた。「全体として大きな異論はなく、その取り組みの程度についてもっと踏み込むべきではないかとか、一方で負担が大きすぎるのではないかといった、両論、幅をもった意見をもらったというのが全体感だと思う」と経産省の横手資源循環経済課長は、意見のいくつかを取り上げて説明。委員からは「これだけ多くの意見が出されるということは、この問題に対する関心を示すものと思う」「パブコメが多くて注目されていることが実感できる」「個別の施策に幅広い意見が有ることがわかった」「パブコメには期待と不安が寄せられていると思う」「パブコメの意見は重要。貴重な意見もある。これを踏まえて進めてもらいたい」「パブコメを活かしてほしい」などとする発言が相次いだ。

    委員からのコメントは様々

    「あり方(案)」についての委員からのコメントは、「自治体や事業者などが新しいことをやりたくなるような動機付けが必要。これは国の仕事」「法律で対応する場合、容リ法との整合性を」「手続きを簡素化して自主的な取り組み、サプライチェーンを通じた取組みを(国は)支援してほしい」「自治体が横断的に取り組めるようにしてもらいたい」「熱回収の是非があるが、2050年カーボンゼロに近づけていくということになると、従来よりは少し変わってくるのではないかと思う。中長期的に何がベストかを考えておく必要がある」。
    また、コロナの影響から飲食店ではテイクアウトを実施するところが増えていることについて触れ、「コロナ禍にあってテイクアウトなどプラのニーズが高まっている状況。新しい制度では中小企業に丁寧な説明を願いたい」との意見も出された。さらに「現場で混乱、支障が起きないように十分に期間を置いてスタートしてもらいたい」「石油由来のプラから転換していく。グリーン市場をつくっていくことが大切。環境配慮設計を明確に示し、そういう商品が市場でしっかり評価される基盤づくりを国が行う。これは非常に重要と思う」といった発言も。
    自治体関係者からは「一括回収ということになると中間施設が必要になる。回収量が増えてくるのでプレス機も必要。そのための(財政的)支援をお願いしたい。また、プラが減ると焼却に際しての発電による売電料金の収益も落ちる。これについても(財政面での)配慮をお願いしたい」。「仕組み(制度)の導入に当たっては、一定の期間をいただきたい。また自治体が導入を検討する際のわかりやすい目安となる要綱をなるだけ早く示してほしい」などが聞かれた。

    「あり方」をベースに法案提出へ

    各委員からのコメントに経産省、環境省がそれぞれ答えたのち、環境省中央環境審議会の酒井伸一委員長が発言を求められた。「今回の取りまとめは、大きなシステムの中で、かつ多様な用途を念頭に置き、そして今後の時系列的な対応の難しさを抱えた問題と思っている。様々な揺らぎが起こりうると認識している。そういう揺らぎを乗り越えていく、3Rプラスリニューアブルということは変わらず念頭に置くことができるので、是非とも進めさせていただければと思っている」と述べた。また経産省産業構造審議会の細田衛士座長は「プラスチックはいろんなところに横断的に入り込み使われている。これをどうやって3Rにもっていくかは難しい。事業者、自治体、NGOとかいろんな方々のパートナーシップの形成による柔軟な取り組みが必要になる。市場経済だけではできないものを補完する機能として連携、協力というところにもっていきたい。その時には健全な動機付け、単にファイナンシャル(財政)だけでなく、制度的な面とか、政府や自治体からの奨励といった面とかいろんな形があっていい。それを全体にまとめた制度設計が本質的なことになる」と語った。

    最後に、経産省の産業技術環境局の矢作審議官と、環境省環境・再生資源循環局の松澤次長がこれまでの8回にわたる会合会議に対して感謝を含めてのあいさつをした。矢作審議官は「プラスチック資源循環の推進は、我が国のサーキュラエコノミーに向けた第1歩として、関係省庁と連携してしっかり実践していきたい。成長と環境の好循環を実現していきたい」。松澤次長は「今回のとりまとめをもとに環境省、経産省と一緒にこの通常国会に法案を提出できるよう準備を進めてまいりたい。そしてまた、プラスチック資源循環戦略、これを実際に世の中に実装していくという段階を今後10年間、その先の10年間ということで取り組んでいく必要があると思います。それにあたっては、パブコメにいただいた多様な意見を踏まえていきたい」と述べた。

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  • 令和2年11月20日開催 中環審・産構審プラスチック資源循環戦略合同会議第7回

    「プラスチック資源循環施策」の第7回合同会議は 11月20日開催された(Web形式)。事務局が合同会議開催のたびに修正を加えた主な施策を「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)」として議題に乗せた。これについて参加委員が議論した結果、委員長に一任する形で「あり方案」を了承。パブリックコメントにかけることになった。「あり方案」は建物でいうと「土台」「骨組み」にあたる部分。法整備などを含めてどういうプラを、どのように回収ルートに乗せて、誰がどのようにリサイクルするのか。その場合の費用は誰が負うのか――など様々な具体的な制度設計の詰めはこれからになる。

    全員参加型のプラ資源循環進める

    「施策のあり方案」は、これまで出されていた「基本的方向性」と同じで、タイトルが変更になっただけで中身は同じだ。「考え方」「主な施策」「おわりに」という章立て。なかでも「主な施策」が要点の部分だ。そこでは「リデュースの徹底」「リユース・リサイクル可能な商品設計」を振り出しに、家庭や事業者から排出されるプラの回収・リサイクルが記されている。
    家庭から排出されるプラは「容リプラ」と「製品プラ」で、市町村が回収して容リルートに乗せて処理していくとしている。選別の中継基地などをどのように整備していくのかといった部分は定まっていない。
    また事業系プラは、『排出事業者が更なる資源化のための分別回収・リサイクルに積極的に貢献することが求められ、それが円滑に進むよう環境を整備する』としている。この場合の「環境整備」とは具体的にどういうことを、誰が整備するのかなどについては触れていない。
    事業者がリサイクラーと連携して、高度リサイクルすることを『可能とする措置を講じる』としているがどういう措置にするのかは見えていない。
    ただいえることは関係者全員がそれぞれの立場で役割を果たし、そして連携しながらプラ資源循環施策を進めていこうということだ。全員参加型の取組みになる。

    リチウムイオン電池の混入防止策も記載

    今回の「あり方案」で新たに追記されたのは、「2050年カーボンニュートラル」「リチウムイオン電池のプラスチック資源への異物混入対策」など。「カーボンニュートラル」は、菅総理が所信表明演説で2050年までに温室効果ガスを全体でゼロにすると述べたことを受けて。「リチウム電池」については火災事故が多発していることから追記した。また、市町村が回収する事業系プラについては『小規模店舗』と具体的な文言を入れた。
    こうした「あり方案」に自治体の委員からは、「リチウムイオン電池の混入防止対策を入れてもらったのはありがたい。一廃・産廃問わずリチウムの混入防止策の強化を求める声は強い。是非とも実効性ある対策をお願いしたい」との意見が出された。
    再生プラ材の規格についての指摘も聞かれた。「再生プラ材を使ってもらわないと回っていかない。これは重要なことで、(再生プラ材に)規格が必要ならば考えていただくのがいいのではないか」。
    意見が一通り出されたところで酒井委員長(京都大学教授)は、「細かなところはまだまだだが、大きな方向性、ベクトルは合意されたと思う」とし、検討会として「あり方案」の修文を委員長に一任することで了承し、パブリックコメントにかけることとした。

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  • 令和2年10月20日開催 中環審・産構審プラスチック資源循環戦略合同会議第6回

    「プラスチック資源循環施策」の第6回合同会議(Web形式)が10月20日開催された。今回は「基本的方向性を踏まえた主な施策」を事務局(環境省・経産省)が提示し、これについて議論した。主な施策には新たな点も付け加えており、徐々に形づくられてきたが範囲は広く、具体性に欠ける部分も多く課題も多い。こうした中で多数の委員から遠回しながら法整備に関する意見が聞かれた。仮に新たな法律をつくるとしたらかなり時間がかかる。速やかな検討を望むとの意見も出された。

    市町村収集と資源化は容リルートを活用

    プラスチック資源循環施策の基本的方向性を踏まえた「主な施策」は、新たな視点も加えられているが、各委員の意見で比較的多かったと思える部分は、①リデュース(製品製造者による環境配慮設計)、②回収・リサイクル(自治体による家庭から排出される容リプラと製品プラの一括収集。容リルートを活用したリサイクル)、③事業者による自主回収と事業者によるリサイクル。④バイオプラスチックなど代替素材の利用促進。⑤今後のスケジュール–といたところ。
    なかでもとくに注目されているのは容リプラと製品プラの一括回収とリサイクルの部分だ。「主な施策」ではこの部分ついて次のような新たな視点を追加している。
    (市町村による分別収集)
    ▽家庭から排出されたプラスチック製容器包装とプラスチック製品 について、これらプラスチック資源の分別収集の質的確保を前提に、容器包装リサイクルルートを活用して、まとめてリサイクルできるよう措置することとしてはどうか。
    ▽市町村とリサイクル事業者の双方で行ってきた異物除去等の選別工程について、プロセス全体でコスト低減が見込まれ、かつリサイクルに支障がない場合には、市町村及びリサイクル事業者が連携して選別工程の一体的運用が行えるよう合理化のための措置を講じることとしてはどうか。
    今回初めて「容リルートの活用」「市町村とリサイクル事業者の選別工程の一体化」という方向が示された。

    詳細な制度設計、かなりの工夫が必要

    これについて全都清の大熊委員からは「市町村の中には域内にリサイクラーがいないところが多い。すると運ぶのに市町村内に中継施設を設けることが必要になる。国の支援をお願いしたい」と述べた。
    石川委員(ごみじゃぱん代表)は、「容リプラと製品プラの一括収集についてはいちばん注目されているところだと思う。社会的コストが下がるというのが目的だからよほど工夫しないといけない。制度設計の部分にかなり依存する。自治体とリサイクラーの立地関係とも大きく依存する。立地の面から合理的にできる分野が限られる。すると契約は現在の(容リ制度のような)単年度、全国で入札というやり方と比べると長期であったり、固定的であったりということになりやすい。受け入れ基準のところを変えなければいけないが、どう変えるのか。制度設計のところで詳細にしてもらいたい」とした。
    また、森口委員(国立環境研究所)は一括収集について「やみくもに集めても量は増えるが質は大幅に低下する。選別の負担が大きくなる。選別に負担がかからないようなプラを消費者が選別排出できるようにすべき」と、質の重視を指摘した。

    法整備、入り口から出口までの全体感

    このほか、リデュースを考慮した「製品製造者による環境配慮設計」「事業者によるリサイクル」「市町村が排出事業者のプラスチック資源を回収する場合」「バイオプラスチック・代替素材などの認証制度」などが議論された。高村委員(東京大学教授)はリデュース・リユースが重要になると述べるものの「具体的にどういう中身にするか、今後議論させていただきたい」。バイオマスの利用促進についても「具体的にどういうものを入れるのか、明確にしてもらいたい」と注文をつけ、さらに制度を運用していくには「法的基盤が必要。速やかな検討をお願いしたい」とした。法整備をするべきとの意見は、数人の委員からも遠回しではあるが指摘があった。
    最後に意見を求められた酒井委員長(中環審)は「代替素材の認証制度は今後どういう仕組みにするのか、ポイントになると思う。法的整備云々という事も出はじめている。環境配慮設計の指針は次回議論してもいいかなという印象をもった」とコメント。
    細田座長(産構審)は、もし「法制化するとしたら入口から出口まで一貫しているか。全体感が必要と思う」と述べた。

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  • 令和2年9月1日開催 中環審・産構審プラスチック資源循環戦略合同会議第5回

    「プラスチック資源循環戦略」の第5回合同会議は9月1日、Web形式で開催された。今回は、前回の合同会議(7月21日)で出された「基本的方向性(案)」について委員から指摘された箇所を改めて修正し示した。「基本的方向性(案)」は今施策の『総論』にあたる部分。システムや制度設計など法的問題を含めた具体的な施策についての『各論』は次回以降から検討に入る。

    冒頭の「考え方」の部分を修正

    「基本的方向性(案)」は、大項目として「Ⅰ考え方」と「Ⅱ主な施策の方向性」(家庭や事業者から排出されるプラスチック資源の分別・回収・リサイクルやバイオプラなどの代替素材、分野横断的な促進策……等々)の2つで構成されている。大きく修正が加えられたのは主に「Ⅰ考え方」で、冒頭に出てくるセンテンスの7行はそっくり新たな言葉に書き変えられた。それは次の通り(『』の部分)。
    プラスチック資源循環戦略(令和元年5月31日・以下戦略)『では、その展開を通じて、国内でプラスチックを巡る資源・環境両面の課題を解決するとともに、日本モデルとして我が国の技術・イノベーション、環境インフラを世界全体に広げ、SDGsでも求められている地球規模の資源・廃棄物制約、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題等の同時解決に貢献し、資源循環関連産業の発展を通じた経済成長・雇用創出など、新たな成長の源泉としていくこととしている。』
    また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、衛生目的を中心としたプラスチックの果たす役割が認識されているとともに、『エッセンシャルユースの増加などプラスチックの排出実態の変化等も生じている。このような状況を踏まえれば、回避可能なプラスチックのリデュースの徹底をはじめとする”3R+Renewable”の基本に沿った対応がこれまでにも増して重要となる。』と加筆修正した。
    さらに環境面としては、『大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現に向けても取り組む必要がある』と加えた。

    回収・リサイクルも一部追加や修正

    「Ⅱ主な施策の方向性」の修正部分は、2.効果的・効率的で持続可能なリサイクルの(2)に示したプラスチック資源の回収・リサイクルの拡大と高度化の中で、各主体の連携協働と全体最適化を通じて、費用最小化と資源有効利用率の最大化を社会全体で実現する、持続的な回収・リサイクルシステムを進めることとしており、『これらを通じて、リサイクルの質と量を向上させることが重要である。』と追加。
    また、4分野横断的な促進策の(1)に示す消費者の理解・協力の促進では、リデュース・リユース、分別リサイクル、代替素材利用の一層の促進にあたっては、消費者の理解・協力が不可欠であり、『我が国のプラスチック資源循環の現状や各主体の取組み状況等のファクトを消費者はもとより国際社会に対して幅広く発信するとともに、リサイクルの見える化等の』普及啓発・広報や環境教育を『NGO等とも連携しつつ世代を問わず』進め、エシカル消費をはじめとする消費者のライフスタイル変革を促す。と新たな文言を差し込んだ。
    さらに、(3)のESG金融による取組みの後押しについては、投資家及び企業双方に向けたプラスチック資源循環分野のESGガイダンスを策定し、プラスチック資源循環に率先して取り組む企業がESG金融に取り組む投資家等に適切に評価され、『企業価値向上と国際競争力につながる』共通基盤を整備する。と追加した。

    法的な議論は避けて通れない

    修正された「基本的方向性(案)」について各委員からは「政府の取組みが十分でないのでは」「利用拡大は、業界ごとの利用の目標値をつくるとか、業界団体として利用率の目標値がわかればいいと思う」などの意見のほか、「法律を変えて担保していくことが必要」「今後、具体的な施策に入っていくが、これまでのアプローチはなじまない。課題も多くある。法的基盤をどうするかは大きい」とする法的な指摘もあった。「コロナで新しい流れができてきた。どういう素材にするかとか知恵を出していきたい。自治体もかなり変わる。地域循環共生圏もある。早く例示を示してもらいたい」というリクエストも。また「どういう形でリサイクルされるのか見える化が大事だ」という指摘も。
    これらの意見に対して環境省は「具体的な施策の中で議論していきたいと考えている。法的なことも今後の議論になる。SDGsを入れたのはみんなで取り組んでいくんだということで出してある。自治体に関しては現場なので(地域循環共生圏など)そういうこと考えて議論したい」。経産省も「多様性認めながら包括的な仕組みを考えていきたい」とそれぞれコメント。

    「基本的方向性(案)」は酒井委員長に一任され、環境省・経産省と共に修文してまとめていく。

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