全清連NEWS
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第96号 令和2年(2020年)6月30日

SDGsと地域の生活基盤確保へ邁進

=新型コロナで結成以来初の書面総会=

(一社)全国清掃事業連合会の第11回定時社員総会は、新型コロナウイルス(COVID―19)感染症の拡大を防ぐため、書面決議により執り行うこととなった。全4議案を承認し、新たな事業計画では、新型コロナウイルスにより一層混迷を深める国内外の社会経済情勢を捉え、地域循環共生圏づくり・SDGsチャレンジや、廃棄物・リサイクル制度に関する対策活動など10項目を盛り込んだ。開催にあたり三井弘樹会長のメッセージを掲載する。

ご挨拶
本来なら、全国からお集まりいただいた一般社団法人全国清掃事業連合会の社員の皆様とお互いに顔を合わせて、定時社員総会の開会ご挨拶を申し上げるべきところですが、ご存じの通り、新型コロナウイルス(COVID―19)の感染拡大を防ぐため、全清連の結成以来22年で初めての書面による総会となりました。
緊急事態宣言は5月に解除となりましたが、感染拡大の第2波が襲来する不安も消えていない状況下で、私たちの清掃事業が、国民の安定的な生活の確保のために、政府および環境省からも事業継続を強く求められている以上、感染リスクは少しでも減らさなければなりませんから、会員が全国から集まることは中止することと致しました。


コロナ下における全清連会員の強い責任感に敬意
非常事態宣言の発令中から今この時も、全国において、ウイルス感染の不安と戦いながら業務を継続し、地域の環境の保全と公衆衛生の向上を担っていらっしゃる会員・従業員の皆様の使命感、責任感、そして勇気には、最大限の敬意を表しますとともに、感謝を申し上げたいと思います。
全清連としましても環境省や厚生労働省等からの情報を会員に逐次提供し、感染防止対策を呼び掛けて参りましたが、幸いなことに、全清連会員からは現時点までに感染者の発生で事業継続が困難になったという報告は受けていません。
全清連会員の皆様のこれまでの新型コロナへの対策は「COVID―19感染防止対策の取組み」として、いくつかの事例を取りまとめましたが、これは会員(経営者)の皆様一人一人が、危機感を持ち、従業員とその家族の健康と生活を守り抜き、一日たりとも清掃事業を停止させてはならないという強い責任感を持っていることの表れであり、このことにおいても、最大限の敬意を表したいと思います。


仕事の幅を広げSDGs・地域循環共生圏づくりへ
令和元年度の事業計画の一つとして、新たに「SDGs・地域循環共生圏推進」への取組みを掲げました。
その理由は、平成30年4月に閣議決定された第五次環境基本計画でも、SDGsの重要性と「持続可能な地域づくり」のための地域循環共生圏の創造が言及されたこともありますが、我々の日々の業務そのものが、「SDGs」の取組みの一つであることの認識を得たと同時に、そのことだけで「持続可能な地域社会であるのか」「持続可能な会社であるのか」「持続可能な従業員及びその家族であるのか」が問われていることに気づかされたからです。
令和元年度には、外部講師を招いて三回の「SDGs・地域循環共生圏推進」への取組みについての勉強会を行いました。その中でより深く「SDGs・地域循環共生圏」と、我々に出来ることは何かということがわかってきたように思います。
具体的に言いますと、「アウトサイド・イン」、つまり行政や取引先(イン)のニーズだけでなく、もう少し手を伸ばして、その外側(アウトサイド)にある「社会のニーズ」に応えられるように仕事の幅を広げようというものです。省エネやCO2削減、海洋プラスチック問題や地域の美化等の環境問題、高齢者の手助け、障がい者の社会参加等の社会課題の解決を起点として、それをピックアップし、行動に移すことを意味します。その時には、行政や地域住民、他の業界とパートナーシップをもって、進めて行くという視点が重要であると思います。
全清連では会員に対し、行政とも連携して、SDGsに取組む計画の作成を呼び掛けました。そして10月の全国研修大会では、優れた取り組みを行っている会員に、事例発表をしていただきました。


社会に本当に必要な存在であるために
令和2年度においては、新型コロナウイルスに対する「新しい生活様式」にうまく向き合いながら、感染予防対策を継続していくとともに、「SDGs・地域循環共生圏推進」への取り組みの中から、具体化されたものをできることから実行に移し、災害時等も事業を継続するBCP(事業継続計画)を整え、国民の生活基盤を守る使命を果たしていきたいと考えます。
これは、6・19通知、10・8重要事項通知、平成26年1月28日最高裁判決や過去の判例等の中で問われている、業務の確実な履行、業務品質の向上という原点に立ち返った時に、我々がやるべきことを確実に行うということでもあり、我々が「社会に本当に必要な存在である」と、認めていただくことにもつながっているといっても過言ではないからです。
結びに、たとえ時代が変わっても「小さなことをおろそかにせず、コツコツ積み上げれば誠になる」という精神で、皆様の強い意志と協力の下、突き進んでまいりたいと思います。
この決意をもって、書面総会の挨拶とさせていただきます。
今年度もどうかよろしくお願いいたします。
 (以上要旨)

令和2年6月16日
一般社団法人
全国清掃事業連合会
会長 三井 弘樹


祝辞・緊急事態宣言下の公衆衛生確保に謝意
地域廃棄物適正処理推進議員連盟の石破茂会長、環境省、経済産業省、農林水産省幹部、全清連特別顧問の(一財)日本環境衛生センターの南川秀樹理事長からの祝辞。

●令和2年度事業計画
固形一般廃棄物業界を取り巻く情勢など

(詳細については全清連ニュース第96号をご覧ください)