全清連NEWS
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第95号 令和2年(2020年)1月31日

新年のご挨拶

◇一般社団法人全国清掃事業連合会・三井弘樹会長
―地域の持続性見据えた一廃処理事業に邁進―

新春座談会

深刻化する地方課題を踏まえ
  持続可能な地域社会づくりに参画

全清連は地域廃棄物適正処理推進議員連盟の石破茂会長(衆議院議員)と座談会を行った。少子高齢化、地方の衰退、さらには急激な気候変動と災害の激甚化、プラスチック資源循環など国際的な環境課題も踏まえ、持続可能な地域づくりについて意見交換した。

出席者

地域廃棄物適正処理推進議員連盟会長  石破茂衆議院議員
(一社)全国清掃事業連合会  三井弘樹会長、国岡稔副会長
司会:山田久(全清連専務理事)

◎少子高齢化、地域存亡に直面、課題山積の日本社会
はじめに司会者から今年の抱負を尋ねられた石破会長は、日本中様々なところを回っている中で、20年先、50年先、100年先、この国は一体どうなってしまうのだろうと思っている人が非常に多いという感じがしていると述べ、急激に進んでいる人口減、少子高齢化、東京一極集中など山積する課題ついて語る。「21世紀は世界の人口が倍になり、日本の人口が半分になる世紀ということです。ここ1年で生まれた子どもはとうとう90万人を切ってしまった。きちんとした政策を打たない限り、これはもっと減っていくのでしょう」と、早急に手を打つ必要性を述べた。
また東京への一極集中ということでは、「世界において一極集中が起きているのは日本と韓国だけの現象。ヨーロッパでは地方都市も豊かで、所得が高く、元気もあります」「日本はどんどん人口が減り、高齢化する。食料、エネルギーをつくり、出生率が高い地方が衰退し、金融や経済、文化の中心地ではあるけれども、食料もエネルギーもつくらず、出生率が全国最低の東京にどんどん人が集まってくる。医療は、介護は、年金はどうなっていくんだろう、20年先、50年先、この国はどうなっていくんだろう、こういう思いを持っている方が多く、それに対する議論も十分とは言えません」と、日本という国の歪みを指摘。
そして全清連が取り組んでいるSDGsというのは、「日本がまさに考えなければならないこと。この問題のために自分は何ができるだろうかということを考えなくてはいけません」と語り、「全清連の方々はまさしく静脈産業の分野から地道に取り組まれてきた。特に去年は大災害の年でしたけれども、政府から言われたからではなく、自主的、自発的に、最も厳しい状況の中であっても実践されてきました」と全清連の災害支援を高く評価し、「こうした取組みがきちんと実を結び、形になる年にしていかなくてはならないと考えております」と述べた。

◎SDGs、地域循環共生圏づくりに取り組む
三井会長は今年最初に思うこととして「会員の皆様が心身ともに健康であること。健康に勝るものはないというというのが私の中に常にあります」と生きていく上での基本を押さえた上で、「当連合会も健全でなければならないと思っております。健全という意味は今までもそう努めてきましたけれど、名実一体、つまり言っていることとやっていることが一体であるということを周りの方々にも感じていただける、そういう活動を継続してまいりたいと思っております」と、言説と行動の一致による団体としての活動をあげた。
こうした中で、SDGs、地域循環共生圏づくりの積極的参画については、「今まで通り日々の業務を継続的かつ確実に履行する。そのうえで高齢者のごみ出し支援など、高齢化社会へ向けて我々がどう寄与できるか、あるいはプラスチック資源循環戦略についてどう関係していくかが問われる年になると思います」と具体的に述べた。
また、災害支援活動についても国から要請があれば今まで通り支援活動に取り組んでいくとの姿勢を示した。

◎固形一廃処理事業を通して地域活性化に寄与する
国岡副会長は、「地域で業務を行っている者としても、本当に地方から元気のある日本をつくっていかなければならないと考えております」と、石破議連会長の東京一極集中を是正して地方を創生していくという主張に賛同の意を表し、「石破会長の力もお借りしながら地方が活気づくように取組みを進められたらと思います」と述べた。また同社のプラスチック事業については、プラスチック資源循環戦略に基づいて下期から事業を再開するとの考えを示し、「従事している40名あまりの従業員の働きがい、やりがいということも頭に置いて事業に取り組んでまいりたい」と経営者としての考え方を述べた。
さらにこのあと、「環境分野で再び、廃棄物処理法の現行制度が循環型社会の支障になっているとの議論が持ち上がっていることについて」「昨年閣議決定されたプラスチック資源循環戦略を進める上での課題を、具体的にどう整理するのか」「地域の持続性確保、地方創生」などについて活発な意見交換が行われた。

年頭所感
環境省環境再生・資源循環局 山本昌宏局長「適正な廃棄物処理・資源循環へ施策展開」/農林水産省食料産業局バイオマス循環資源課・片貝敏雄課長「食品産業の持続的な発展に向けて環境対策を推進」/経済産業省産業技術環境局資源循環経済課・横手広樹課長「環境と経済の好循環」の実現に尽力/

(詳細については全清連ニュース第95号をご覧ください)