全清連NEWS
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第107号 令和5年(2023年)5月31日

第14回定時社員総会で三井弘樹会長を再任
=事業継続、資源循環への挑戦などの新計画承認=

(一社)全国清掃事業連合会(三井弘樹会長)は4月26日、東京・一ツ橋の如水会館で第14回定時社員総会を開催した。全5議案を審議・承認し、令和5年度事業計画には市町村との関係強化を通じた行政側における業務継続計画構築とプラスチック等の資源循環事業への挑戦、一般廃棄物を取り巻く規制緩和への対応、災害廃棄物処理支援活動など重要4事業、継続9事業を掲げた。また任期満了に伴う役員の選任では、新任1名のほか、三井弘樹会長をはじめ全役員の再任を決めた。 再任を受け三井弘樹会長は「4年前に会長職を引き継がせていただきました。非常に不安な心境でありましたが、その当時から今日まで、身の丈を考えつつ自分に出来ることは全力で取り組むというつもりで会長職を務めてきました。皆様からすると至らないところもあると思いますが、私自身、新体制の中で一生懸命、皆様と共に目的を達成できるよう共に歩んでまいりたい」と所信表明した。 総会後には記念講演、懇親会が開かれた。記念講演は環境省廃棄物適正処理推進課の工藤喜史総括課長補佐による「縦割り110番で受け付けた環境省所管の規制緩和要求に対する回答について」の解説。また4年ぶりとなる懇親会では、地域廃棄物適正処理推進議員連盟の石破茂会長、寺田稔事務局長をはじめ多数の国会議員が出席したほか、環境省、経済産業省、農林水産省からも多数の幹部が来賓として出席した。

三井弘樹会長あいさつ(要旨)
地域と固形一廃業の未来へSDGsの取組み深化を

三井弘樹会長はまず、新型コロナウイルス感染症が5月8日に5類へ移行されることが決定したが、その一方で4月10日には、山梨県都留市で行政職員82名の集団感染(クラスター)が発生し、業務に一時混乱をきたしたとの報道を挙げ「我々の業界もどのように感染症対策に向き合うか深く考えなくてはならない」とし、「現場での感染リスクを踏まえ、各自が創意工夫しながら新たな感染対策、感染防止対策、業務継続に必要な対策を考えていただきたい」と要望した上で、次のように語った。 「地域カーボンニュートラル、ローカルSDGsの取組みです。ここ数年申し上げておりますけれども、人口減少など地域が抱える大きな問題の中で、私たちは手の届く範囲のものからハードルの高いものまで、地域の一般廃棄物処理を取り巻く課題解決に貢献していかなければなりません。行政や市民、顧客に対して存在価値が示すことができなければ我々の業は縮小します。経営者の皆様が真摯に受け止め、考えているのかどうか問われる時代がすぐそこまで来ています。 人手不足の問題も頻繁に取り上げられるようになりました。この問題に対応できなければ事業の継続はあり得ません。人口減少で働き手がどんどん減るという状況で、廃棄物処理において魅力ある会社とは何か、夢のある仕事とは何か、常に自身に問いかけながら会社を変える勇気が必要な時代がすぐそこまで来ています。 いま申し上げたような問題に取り組むか取り組まないかで会社の未来が大きく変わってきます。皆様と共にさまざまな情報を共有し、出来ることから地道に前に進んでいく団体にしてまいりたいと思います」

廃棄物の適正処理、地域脱炭素へ全清連に期待
4年ぶりの総会懇親会に各界から多数の来賓

地域廃棄物適正処理推進議員連盟・石破茂会長、寺田稔事務局長ほか多数の議連国会議員、環境省、経済産業省、農林水産省幹部。

令和5年度事業計画・4つの重要事業

(1)許可・委託業者の事業継続を考慮した行政側の業務継続計画(BCP)構築に、ローカ ルSDGsチャレンジの一環として取り組む。またローカルSDGsに関する学習を通じ て、行政・会員相互・異業種とのパートナーシップ活性化を図る。
(2)プラ資源循環促進法について会員は市町村との対話を進め、意欲や能力があれば資源 循環に積極的にチャレンジし、成長のチャンスをつかんでいく。
(3)廃棄物・リサイクル制度の改悪、緩和要求事案は令和5年度以降も各方面から生起し てくると考えられる。「食品廃棄物バイオガス問題」「広域認定問題」「遺品整理廃棄物 問題」等々。放置すれば足元から崩れていくような案件に対し、業界外の動きにも細心 の注意を払い、情報収集に努める。
(4) 災害廃棄物処理支援活動の継続的取組み。通常業務を継続しながら災害廃棄物処理支援 活動に参加することは大きな負担を伴いますが、それを乗り越え、廃棄物収集運搬のプロ フェッショナルとして、地域や社会の期待に応えることは「SDGsチャレンジ」そのもの です。

記念講演

縦割り110番で受付けた廃棄物規制緩和要求に対する回答

環境省廃棄物適正処理推進課統括課長補佐・工藤喜史氏