第108号 令和5年(2023年)9月29日
持続可能な地域社会構築のため、足元を見据えさらに一歩踏み出そう!
=環境保全優先・適正処理を堅持し、
脱炭素・資源循環事業への挑戦を=
(一社)全国清掃事業連合会は、来たる10月18日、東京千代田区の砂防会館において、令和5年度「全国研修大会」を開催します。 全清連は、昨年の研修大会において「環境保全優先の観点を堅持して一般廃棄物の適正処理を推進しよう」という本来の責務の遂行を明らかにしたうえで、メインテーマとして「持続可能な地域づくりへローカルSDGsの推進を」を掲げました。そして、本年の研修大会は、ロシアによるウクライナ侵略が長期化し、国内外の政治経済状況がますます混迷化している中で、それでも、地域社会を持続可能にしていくための取組みはゆるがせにできないと考え、メインテーマを「持続可能な地域づくりローカルSDGs推進を参画し貢献しよう」に決めました。 同時に、DX、GX、CN、CEなどの名の下で、環境保全や廃棄物の適正処理という根幹事項をないがしろにする動きも出ていることから、環境保全優先の観点を込めた「適正処理を遵守し、脱炭素・資源循環事業にチャレンジしよう」というスローガンも掲げました。 全国研修大会の成功に向けて、共に砂防会館に結集しましょう。
会員、行政が一廃適正処理確保へ研修
令和5年度地区研修会を全国4回会場で開催
全清連は5月12日~10月3日にかけ、全国4地区で令和5年度地区研修会を開催した。各会場とも全清連会員、行政担当者から多くの出席があり、廃棄物を取り巻く諸問題や関係省施策の動向、関連する重要通知等について理解を深めた。目的は行政、業界が共通の課題認識のもと、一般廃棄物の適正処理確保へ協働できる体制構築を図ることで、このうち10月3日に大阪市のホテル日航大阪で開催された(一社)大阪府清掃事業連合会研修会では、一般廃棄物の適正処理、脱炭素の取組み、災害廃棄物対策、事業系廃棄物の取扱い等をテーマとした。
◎研修会の開催日時と実施ブロック・会員・開催場所
▽5月12日・三重県清掃事業連合会・プラトンホテル四日市
▽5月19日・愛知県清掃事業連合会・ホテルアークリッシュ豊橋
▽7月7日・田原市清掃事業協同組合・伊良湖コンベンションホテル
▽10月3日・大阪府清掃事業連合会・ホテル日航大阪
▽11月17日・全清連鳥取地区 ・倉吉シティホテル
▽11月24日・全清連香川地区・ホテルパールガーデン
▽1月26日・全清連九州ブロック協議会・ザ:ニューホテル熊本
▽1月未定・全清連広島地区・未定
▽2月16日・岐阜県清掃事業協同組合・岐阜グランドホテル
家財整理等事案対策セミナー開く 外部講師招き、業界の今後等説明
(一社)全国清掃事業連合会は7月24日、大阪市のホテル日航大阪で「家財整理等事案対策セミナー」を開催した。 外部講師として環境デジタルソリューション㈱の坂本貴志代表取締役(元・片付け堂FC統括会社代表者)、(一社)家財整理相談窓口の林武廣代表理事(現・㈱エコアース常務取締役)の2名を招き、家財整理や不用品回収ビジネス業界の今後について講演した。家財整理などについて積極的な質疑応答も行われた。
政策企画委員会が廃・リ施設見学会開く
プラ再商品化先進事例の富山環境整備で
(一社)全国清掃事業連合会・政策企画委員会による廃棄物・リサイクル施設見学会が9月13日、富山県の㈱富山環境整備で開催された。同社は一般廃棄物の収集運搬、中間処理、最終処分を手がけ、2000年の容器包装リサイクル法の完全施行にあたっては、いち早く事業を開始するなど、地域において常に廃棄物処理の先端を走ってきた。2024年からは愛知県安城市と連携して使用済みプラスチック製品のリサイクルにも着手することになっており、見学会では同社の各種事業について説明を受けた後、リサイクル施設や最終処分場の視察などを行った。 見学会で重点的に視察したのは、使用済みプラスチック製品の受け入れも決まった容器包装リサイクルプラント。破砕機、磁選機により不純物を取り除き、最新鋭の光学式選別機、比重差選別機による複数回高度選別を行ない、単一素材による高品質なリサイクルを行っていることが特徴になっている。光学式選別機では複数回かけて徹底的に塩素系プラスチックを取り除きつつPP、PE、PSの単一素材に分類していく。その後、3度の破砕機にかけ、洗浄・脱水後、乾燥工程を経てペレット化する。 また同社では、再生ペレットの販売だけでなく、再生ペレットを使用した再商品化製品の製造も一部自社で行っており、パレットやプラスチック敷板を製造、出荷している。 参加者は全員、全国トップレベルのリサイクルプラントを見学し、選別に関する技術的事項や異物混入の問題、使用済みプラスチック製品の受け入れなどについて熱心な質問を繰り返していた。 三井会長は見学会を終え「規模が大きく、導入された導入された機材も非常に高度なもので誰にでもまねできる事業ではない。しかし1社で無理ならば皆で協力する、あるいはパートナーシップによって収集運搬の面で連携するなど、やり方はいろいろ考えられる。大切なことは主体性を持って地域の課題解決に貢献し、地域において頼られる存在となっていくこと。見学会でこうしたヒントが得られれば」とコメントした。
(詳細については全清連ニュース第108号をご覧ください)