総会
活動報告
activity

平成29年度の総会の報告

全清連・第八回定時社員総会開催
~会長に三井崇裕氏を再任~

一般社団法人全国清掃事業連合会(全清連)は、4月26日(水)午後2時より千代田区の如水会館を会場に、オブザーバーを含め総勢230名の出席を得て、第八回定時社員総会を開催した。今総会では任期満了に伴う役員改選が行われ、会長に三井崇裕氏の再任をとり決めた。総会終了後には(公社)大阪府産業廃棄物協会の龍野事務局次長による講演が行われ、席を移しての懇親会では地域廃棄物適正処理推進議員連盟の石破茂会長らをはじめとする多数の国会議員、関係省庁幹部らが出席して和気あいあいの祝宴が開かれた。 定刻通りはじまった定時社員総会は、開会に先立ち全清連の「連合会旗」が入場。全員起立し大きな拍手で迎えた。正面に掲げられた国旗ならびに連合会旗に向かって一同君が代を斉唱して総会は幕を開けた。野々村清会長代行(岐阜県清掃事業協同組合理事長)が開会宣言を行い、全清連を代表して三井会長があいさつを述べる。

三井会長あいさつ

この1年を振り返ると平成28年度は早々に生じた熊本地震への支援要請を筆頭に、大きな事業がいくつもあったと三井会長は述懐する。熊本地震においては環境省からの支援要請を受けて、「しっかり準備して熊本に入りました。約19日間、機材は520数台、投入した人材は1000名にのぼるという実に大きなものでした。おかげさまで後に環境大臣、熊本市長、益城町町長から全清連に感謝状が授与されました。皆様方、忙しい中を多くの方々が現地に駆け参じまして、市民のライフラインがキープできました。本当にありがとうございます」と出席者にお礼を述べた。6年前の東日本大震災に際しても環境省から支援要請があり、「組織を上げて全力を上げて現地に入り奮闘してまいりました。この実績が大きな反響を呼びまして、災害廃棄物をどうするかということを環境省も取り上げD.Waste-Netという組織をつくり、私どももそこへ登録することになりました」と説明。

28年度はこのほか、「廃棄物処理法の見直し」「食品リサイクル法の見直し」「容リ法の見直し」などがあったが、こうした中で「皆様にお約束した事業方針がありました。それは最近、全国各地にいるといわれております、仲介ブローカーと言っておりますが、文言的には『第三者』という表現になっております。これを28年度中に何とかきちんとしたいと皆様にお約束した。これも執行部体制の中で頑張っていただきまして、この3月21日付けでこの問題について環境省の方から『こうあるべきだ』というのが出てまいりました。私どもも少しは胸を張ってやり遂げた、という気分があります。今後皆様に大いに活用していただきたいということを申し上げたい」と述べ、続けて「廃掃法の見直し、食品リサイクル法の見直し、容リ法の見直し、そして第三者と言われる仲介ブローカー問題等、これらに私ども取り組んできたわけですが、結果は全部私どもの意見を重んじていただけたということになりました。今日お越しいただいた皆様と一緒に、少しは心休まる瞬間ではないかなと思っている次第です」と心境を語った。そして29年度についても「情報収集をきちっとして、環境保全を前提とした適正処理の推進により、地域のために頑張っていかなければいかんなと覚悟しているところです」と強調した。

平成29年度の事業計画と役員改選

このあと議長に大月伸一副会長(新潟県一般廃棄物処理業者協議会会長)を選出し議案を審議。第一号議案・平成28年度事業報告(案)?第四号議案・平成29年度収支予算(案)を満場一致で承認。第五号議案の任期満了に伴う役員改選では執行理事が選出されたのち、別室にて第1回理事会が開かれ協議。その結果、会長に三井崇裕氏の再任を取り決めたほか、執行部役員全員留任となった。
再任された三井会長は就任のあいさつで「環境保全を前提とした適正処理の推進は私たちの使命です。これを中心にして、問題が降りかかろうともきちっとした対応をすれば、法の目的、制度の目的に向かい邁進できるということは確信をもって言えますし、この18年間やってまいりました。これからも皆様と力を合わせて難関を乗り越えていきたい。私たちにしかできない仕事が沢山ありますので、自信をもって進めていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」と述べると、会場から大きな拍手が湧き上がった。
なお、平成29年度の事業計画は山田久専務理事が説明に立ち、基本方針を踏まえた形で具体的には以下の8つを示した。
①廃棄物・リサイクル制度に関する対策活動
②地方における10.8部長通知等の周知活動
③非常災害、大規模災害による生じる災害廃棄物の処理支援活動の取組み
④地域廃棄物適正処理推進議員連盟との連携強化ならびに支援強化の取組み
⑤組織の充実強化と会員加入促進の取組みについて
⑥会員の啓発ならびに広報活動
⑦一般廃棄物(ごみ)実務管理者講習会への取組み
⑧東南アジアをはじめとする発展途上国に清掃業務車両(パッカー車、トラック車など)を寄贈する取組み

記念講演:「今、求められる廃棄物処理業の在り方」

総会後には、(公社)大阪府産業廃棄物協会事務次長の龍野浩一氏による表題の講演が行われた。龍野氏の講演内容は、①廃棄食品の不正転売事件から改めて確認できたこと。②最近の改正動向や解釈の明確化に関する相談内容と反応。③今、求められる廃棄物処理業の在り方=「総合環境事業」として……。の3点が柱。とくに③がメインになる。廃棄物処理業を取り巻く経営環境は、人口の減少や生産拠点等の海外移転などにより廃棄物が減少している。こうした中で処理業は2極化していくという。ひとつは「新しいビジネスモデルの模索」と「異業種の参入」。もうひとつは「許可さえあれば何とかなる。今の仕事が維持できればいい」というものだ。
そして、求められる廃棄物処理業の在り方としては、「循環型社会」「自然共生社会」「低炭素社会」「安全が確保される社会」といった、従来の枠組みを超えたビジネスモデルの構築が必要と指摘。これを地域に根差した「総合的なインフラ」としてシステム化していくことが重要とする絵柄を示した。

石破議連会長からも熊本地震への支援要請

このあと会場を移しての懇親会では全清連の地域廃棄物適正処理推進議員連盟会長をつとめる石破茂議員が駆けつけあいさつを述べたほか、竹本直一副会長、斉藤鉄夫幹事長ら多数の国会議員や省庁幹部の祝辞・あいさつが続いた。
石破議連会長は「昨年の熊本震災につきましては、皆様に大変ご支援をいただき大勢の人々が助かったと思っています。国土はきちんと守りますが、皆様一人一人が健康で文化的、快適な暮らしができますように、全清連の皆様と力を合わせてやっていきたいと思います。
」と述べた。
乾杯の発声は寺田稔議連事務局長。威勢のよい掛け声とともに出席者一同杯を高く上げ、各テーブルを囲んでの和気あいあいの祝宴に入った。

総会の詳しい内容については「全清連ニュース85号」をご覧ください。