全国研修大会
活動報告
activity

平成26年度の全国研修大会実施報告

平成26年度『全国研修大会』を開催 実りある成果

一般社団法人全国清掃事業連合会(全清連・三井崇裕会長)は10月20日(月)午後1時より東京千代田区の砂防会館において、全国から全清連会員、地域廃棄物適正処理議員連盟議員、各省庁ら600名を超える関係者の参集を得て平成26年度「全国研修大会」を開催した。今研修大会は記念すべきものとなった。環境省は都道府県・政令市に対して10月8日、廃・リ対策部長名で一般廃棄物処理に関する通知(10.8部長通知)を発出した。本年1月の最高裁判決を踏まえた形でのこの画期的とも思える通知により一廃業界は、長年懸案であった様々な問題を克服していける橋頭堡を築くことができたからだ。三井会長は冒頭のあいさつで、「全清連設立から16年、ようやく私たちの地位の確保ができたものと思っています」と強調した。研修大会は第一部・全清連三井会長ならびに議員連盟、各省庁のあいさつからはじまり、第二部では環境省山本廃・リ対策部企画課長が「一般廃棄物処理に関する今後の取組について」と題して、平成20年6月19日付環境省課長通知(6.19通知)、1月28日の最高裁判決、少量廃プラを含めての事業系廃棄物の取り扱いなどについて幅広く説明。第三部では当面の事業方針、招待団体等紹介、大会決議、スローガン採択――で進められ、出席者にとって非常に価値ある研修大会となった。

三井会長あいさつ「16年かけて勝ち取った成果」

研修大会は盛大な拍手に迎えられ全清連の連合会旗入場で幕が開き、次いで全員が起立して国歌が斉唱された。

全清連を代表して三井会長が壇上に進みあいさつを述べる。「本日の、平成26年度全国研修大会は、非常に意義深いものがあるのではないかと皆さんにご報告したいと思います」と切り出した三井会長は、組織を立ち上げてから16年が経つがこの間、「我々は現行の廃掃法と現場で起きている色々な問題に、悩み抜いた気がしております」と述べ、平成20年には環境省から6.19通知が発出されたものの市町村への周知徹底が十分ではなく、新規許可の問題、委託の入札化の問題、勝手に区分を変更する市町村、また不用品回収の無許可業者の取締り問題等々様々な問題に悩み、苦慮してきた心中を語った。こうした中で今回、環境省から10.8通知部長通知が発出された。「部長通知という過去に例がない出来事です。私たちの業を将来に向かってやり遂げるための非常に大きな担保になると理解しています。これについて我々もずいぶん努力してきたつもりです。議連の方にも相談し、大変なご尽力をいただきました。環境省の方にも現場の声に耳を傾けていただき、10.8通知が出されたものと確信しています。本当に頭が下がる思いです」と述べると会場から大きな拍手が湧き起った。そして「我々はこれを希望として、ようやく16年かかって私たちの地位の確保ができたものと思っています。皆さんと共に闘ってきた成果を認めていただいた。現場の声、それを認めていただいたのをうれしく思います。本日はしっかり研修して価値ある一日でありたい思います」と締めくくった。

野田聖子議連副会長あいさつ「思いを引き継ぎ周知徹底の運動を続けていく」

議員連盟ならびに関係省庁から多数のごあいさつ、ご祝辞をいただいた。議員連盟の石破茂会長は地方創生特別委員会のため出席かなわず、代わって議連を代表して野田聖子議連副会長があいさつを述べた。「平成20年に6.19通知が発出されましたがこの間、市町村によって相当温度差があってまったく聞く耳も持たない地方自治体も発生していると。現場にいらっしゃる皆様方は苦しい思いをしてらっしゃったと思います。で、全清連、議連がしっかり力を合わせて、廃掃法の原理原則を全国の自治体に浸透させていかなければならないということで今日を迎えたわけです。前会長の中川先生が必死にお取組いただいたこの精神を引き継ぐべく石破先生のもと、全清連の皆様と勉強会を通じていろいろと学ばせていただきました。まだまだ力不足かもしれませんが精一杯努力を続けてきたところであります。結果、最高裁での判決を受けて、このたび平成26年10月8日に部長通知という形で重たい通知が出たことは皆様方に申し上げるまでもないことと思います。今後、三井会長はじめ、16年間頑張ってこられた思いを絶やすことなく、私たちが引き継いで全国津々浦々、周知徹底にいそしんで、現実のものとしていく運動を続けていくことを議連を代表してお約束いたします」と語った。斎藤鉄夫議連幹事長や議連国会議員のあいさつが続く。
省庁からは環境省、経産省、農水省の幹部があいさつに立った。環境省の鎌形廃・リ部長は、最高裁判決が示されたことに加えて一廃処理に関連した大規模な不適正処理事案が、いまだ解決をみないまま長期化していることから「今般、廃棄物処理法の目的、周知を改めて都道府県、政令市のトップに周知するため10月8日付で部長名で通知を発出した。今後様々な機会をとらえて実務に携わる方々にも周知徹底を図ってまいります」と述べた。
また最後に中川秀直全清連特別顧問が「最高裁判決にありますように、皆様のお仕事は非常に公共性が高い。品質向上とか業務の確実な履行とか、本当に国民、地域住民から信頼されるような仕事を皆でつくりあげていかないといけないと思います。そして議連の皆様方、地域で皆さんと勉強して共々、いい方向に行くというのが重要と思います」と、まとめのあいさつ。

講演会・一般廃棄物処理に関する今後の取組について

続いて環境省廃・リ対策部企画課・山本課長による講演「一般廃棄物処理に関する今後の取組について」が開かれた。1900年(明治33年)に制定された「汚物掃除法」から1970年(昭和45年)の廃棄物処理法、そして平成に入った1990年代から今日までの廃棄物問題の変遷を説き起こし、時代が変わろうとも、行政が移り変わってもその底流には常に「衛生問題がベースとしてしっかりあるということです」と説明する山本課長の講演は、「一般廃棄物の市町村処理責任について」「6.19通知」の意味、本年1月28日の「最高裁判決」、少量廃プラを主体とする「事業系廃棄物の取り扱い」など広範囲にわたり、丁寧かつわかりやすく解説した。さらに会場との質疑応答は一般廃棄物処理業者にとって、廃棄物処理法に位置づけられた自分たちの業を理解するうえで非常に参考になるものだった(くわしい内容は全清連へお問い合わせください。)

当面の事業方針

研修会も終盤の第三部に入り、全清連・山田専務理事が当面の事業方針を問題提起という形で発表した。「10.8部長通知という画期的なものが出されましたが、これからが正念場。これをいかに活用していくかです。行政は法律がまったくわかっていないから我々を無視したことをやる。廃棄物処理法はこういう特別なものですよ、という運動をやっていかなくてはならない。で、環境省がこういう資料を出してくれたから、(我々は行政に対して)説明することができるという形になってきたということです。全清連はここに価値がある。お互い理解して地元の方々に支持されることが大事になる。明日からいい仕事をしましょう」と気を引き締めつつ総括した。研修大会はこのあと、新規入会会員(栃木県小山市と兵庫県川西市の一廃業者)の紹介、大会決議、スローガン採択とつづき、最後は恒例となった「ガンバロー・コール」を全員で行い幕を閉じた。
(研修大会の詳細は、11月下旬発行予定の全清連ニュース第73号に掲載)。