総会
活動報告
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令和2年度の総会の報告

全清連・第11回定時社員総会 書面決議にて開催

一般社団法人全国清掃事業連合会(全清連)は、6月16日第11回定時社員総会を開催した。例年の総会はオブザーバーを含め300名近い出席者を得て行われるが、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止対策により「書面決議」の形での総会になった。

三井会長ご挨拶

本来なら、全国からお集まりいただいた一般社団法人全国清掃事業連合会の社員の皆様とお互いに顔を合わせて、定時社員総会の開会ご挨拶を申し上げるべきところですが、ご存じの通り、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防ぐため、全清連の結成以来22年で初めての書面による総会となりました。 緊急事態宣言は5月に解除となりましたが、感染拡大の第二波が襲来する不安も消えていない状況下で、私たちの清掃事業が、国民の安定的な生活の確保のために、政府および環境省からも事業継続を強く求められている以上、感染リスクは少しでも減らさなければなりませんから、会員が全国から集まることは中止することと致しました。 非常事態宣言の発令中から今この時も、全国において、ウイルス感染の不安と戦いながら業務を継続し、地域の環境の保全と公衆衛生の向上を担っていらっしゃる会員・従業員の皆様の使命感、責任感、そして勇気には、最大限の敬意を表しますとともに、感謝を申し上げたいと思います。 全清連としましても環境省や厚生労働省等からの情報を会員に逐次提供し、感染防止対策を呼び掛けて参りましたが、幸いなことに、全清連会員からは現時点までに感染者の発生で事業継続が困難になったという報告は受けていません。 全清連会員の皆様のこれまでの新型コロナへの対策は、「COVID-19感染防止対策の取組み」として、いくつかの事例を取りまとめましたが、これは会員(経営者)の皆様一人一人が、危機感を持ち、従業員とその家族の健康と生活を守り抜き、一日たりとも清掃事業を停止させてはならないという強い責任感を持っていることの表れであり、このことにおいても、最大限の敬意を表したいと思います。

令和元年度の全清連事業を振り返りますと、昨年の最大の事業は台風19号で大きな被害を受けた長野県での支援活動でした。 10月12日に中部地方に上陸した台風19号は、関東甲信越地方で90名以上の尊い人命を奪い、全壊・半壊家屋9千戸以上、床上浸水3万3千戸という甚大な被害を与えました。 全清連は10月15日、災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)の初期対応メンバーとして環境省からの支援要請を受け、長野市と千曲市での支援活動を行うことを決定しました。 今回の支援活動は、長野県での初めての活動であり、千曲川という大きな川の氾濫による水害は、これまで経験した被災地とは状況が違いましたが、支援活動メンバーは東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨災害と、災害廃棄物との戦いを続けてきた知識と経験を活かし、市内に山積みだった仮置場を効率的に片づけていきました。 13日間の全清連の支援活動は、内閣府、環境省、国交省、自衛隊、長野県、長野市等関係組織の合同会議でも、その対応能力を高く評価していただき、復旧への第一歩として大きな力になった、と作業の最終日には長野市長からの感謝状もいただきました。 支援活動に参加していただいたメンバーの皆様と、そのメンバーを送り出し、バックアップしていただいた会員の皆様に改めてお礼を申し上げます。

令和元年度の事業計画の一つとして、新たに「SDGs・地域循環共生圏推進」への取組みを掲げました。 その理由は、平成30年4月に閣議決定された第五次環境基本計画でも、SDGsの重要性と「持続可能な地域づくり」のための地域循環共生圏の創造が言及されたこともありますが、我々の日々の業務そのものが、「SDGs」の取組みの一つであることの認識を得たと同時に、そのことだけで「持続可能な地域社会であるのか」「持続可能な会社であるのか」「持続可能な従業員及びその家族であるのか」が問われていることに気づかされたからです。 令和元年度には、外部講師を招いて3回の「SDGs・地域循環共生圏推進」への取組みについての勉強会を行いました。 その中でより深く「SDGs・地域循環共生圏」と、我々に出来ることは何かということがわかってきたように思います。 具体的に言いますと、「アウトサイド・イン」、つまり行政や取引先(イン)のニーズだけでなく、もう少し手を伸ばして、その外側(アウトサイド)にある「社会のニーズ」に応えられるように仕事の幅を広げようというものです。 省エネやCO2削減、海洋プラスチック問題や地域の美化等の環境問題、高齢者の手助け、障がい者の社会参加等の社会課題の解決を起点として、それをピックアップし、行動に移すことを意味します。 その時には、行政や地域住民、他の業界とパートナーシップをもって、進めて行くという視点が重要であると思います。 全清連では会員に対し、行政とも連携して、SDGsに取組む計画の作成を呼び掛けました。 そして10月の全国研修大会では、優れた取り組みを行っている会員に、事例発表をしていただきました。

    令和元年度は、私が全清連会長に就任して最初の年度でもありましたが、それでも一定の事業を達成できたのは、会員の皆様一人一人の奮闘に加え、石破会長をはじめ地域廃棄物適正処理推進議員連盟の先生方のご指導ご支援、そして環境省をはじめとする関係省庁のご理解ご協力の賜物であると考えております。心より感謝申し上げたいと存じます。 令和2年度においては、新型コロナウイルスに対する「新しい生活様式」にうまく向き合いながら、感染予防対策を継続していくとともに、「SDGs・地域循環共生圏推進」への取り組みの中から、具体化されたものをできることから実行に移し、災害時等も事業を継続するBCP(事業継続計画)を整え、国民の生活基盤を守る使命を果たしていきたいと考えます。 これは、6.19通知、10.8重要事項通知、平成26年1月28日最高裁判決や過去の判例等の中で問われている、業務の確実な履行、業務品質の向上という原点に立ち返った時に、我々がやるべきことを確実に行うということでもあり、我々が「社会に本当に必要な存在である」と、認めていただくことにもつながっているといっても過言ではないからです。

以上のことを実現するには、業務の確実な履行、業務品質の向上を前提として、委託においては、適正な業務の発注や、予備人員・予備車両等も考慮した適正な委託費について、行政に理解をお願いし、許可においては、適正料金等を顧客に理解していただく商談を常に行うことが重要であると思います。 また、あって欲しくはありませんが、災害が発生した場合には、被災地に出向き、「新しい生活様式」と向き合いながら支援活動に当たりたいと思います。 結びに、たとえ時代が変わっても、「小さなことをおろそかにせず、コツコツ積み上げれば誠になる」という精神で、皆様の強い意志と協力の下、突き進んでまいりたいと思います。 この決意をもって、書面総会の挨拶とさせていただきます。 今年度もどうかよろしくお願いいたします。

令和2年6月16日

一般社団法人全国清掃事業連合会

会 長 三 井 弘 樹