第100号 令和3年(2021年)5月31日
持続可能な地域社会へ令和3年度事業計画承認
=コロナ禍、災害時の事業継続等、SDGsチャレンジを推進=
WEBで第12回定時社員総会、全役員再任
(一社)全国清掃事業連合会は4月21日、WEB会議システムを用いて第12回定時社員総会を遠隔開催し、全5議案を審議・承認した。このうち令和2年度事業報告では、コロナ禍の感染対策などについて報告したほか、令和2年7月豪雨で被災した岐阜県、熊本県における災害廃棄物処理支援活動について報告。令和3年度事業計画にはコロナ禍や脱炭素、循環経済への移行など固形一般廃棄物処理を取り巻く国内外の動向を捉え、委託・許可業者を組み込んだ行政側の事業継続計画構築への取組み、パートナーシップ活性化、プラスチック資源循環促進法案への対応など、地域ライフラインの維持、ローカルSDGsチャレンジに向けた重要事項4項目、継続事業10項目を盛り込んだ。また任期満了に伴う役員改選では、三井弘樹会長ら全役員の留任を承認した。来賓には地域廃棄物適正処理推進議員連盟・石破茂会長、斉藤鉄夫幹事長、寺田稔事務局長、環境省、経済産業省、農林水産省の幹部が祝辞を述べたほか、サプライズゲストとして全清連の三井崇裕名誉会長が急きょ広島県清掃事業連合会事務局まで駆けつけ、コロナ禍の中にあっても1日も休まず地域環境保全事業に尽力する全清連会員に、敬意と激励のメッセージを贈る一幕も配信された。
三井弘樹会長あいさつ(要旨)
いつまでも必要とされる存在に〝成る″ために
「来年はCOVID-19(新型コロナウイルス)を乗り越えて、全国の会員の皆様と顔を合わせて定時社員総会を開催したい」
昨年度の定時社員総会が非対面の書面による開催となった時、私はそう願いました。残念ながらCOVID-19の猛威は未だ収まりません。「まん延防止等重点措置」が適用された東京に全国の会員の皆様が集まることは大きな危険を伴います。このために令和3年度の第12回定時社員総会も感染防止を最優先し、非対面でのWEB形式による開催といたしました。
全世界がCOVID-19という目に見えない脅威に覆われた令和2年度の全清連は、会員の事業継続を最優先し、感染予防のため全国研修大会も地方の研修会も行いませんでした。事務局もリモートワークにより営業日数を減らしたため、皆様にもご不便をおかけしました。
その中でも、環境省、内閣府コロナ対策室から随時発出される感染防止の基本情報や最新情報、事業継続支援等の関連情報も全国の会員に伝達し、また全清連と会員各社が工夫しながら行った作業中や休憩中の3密回避のルール作りや手洗い、うがい、消毒の徹底、体調管理の事例も随時共有していくことで会員の感染防止対策に取り組みました。また、議員連盟の先生方に相談し、行政、各企業との交渉を重ねるなどして、数十万枚のマスクを確保し、全国会員に発送するなどCOVID-19との静かな戦いをしてまいりました。
また、コロナ禍の中でも「触れずに収集」や「広域認定」などの規制緩和や、一般廃棄物の区分変更を要請する動きが各方面から出てきました。そのたびに全清連では、感染対策に細心の注意を払いながら、東京で、またはWEB会議で、関係省庁や議員連盟の皆様との協議を重ねながら、これらの課題を解決し、また有意義な制度となるよう取組みを続けてまいりました。
私たちは、このパンデミックで多くのものを失いながらも、多くの教訓も得ました。そのひとつが、私たち清掃事業者のように、社会の基盤を支えている「エッセンシャルワーカー」の重要性と意義が、ようやく政府や一般市民の皆様に理解される第一歩が築かれたということです。
医療機関や福祉施設のような人の生命を預かる業務や、警察、消防、自衛隊等の危機管理の業務、そして私たち清掃事業や電力、水道、食料等のライフラインを担う人々が、今回のような危機の際にも各自の業務を確実に遂行することがいかに重要であるかということを、多くの方々が感じたものと思います。しかし、非常時に確実に使命を果たすには平時においてもその生活基盤、経済基盤が安定し、事業が継続できることが不可欠です。経済合理性最優先、コスト削減優先の考えでは非常時に使命を果たす責任感と能力をもった人材や企業は決して育ちません。全清連は設立以来一貫してそれを主張し、6.19通知や10.8部長通知でも私たちの事業の位置づけが法的にも明らかにされてきました。
この先コロナの脅威が去れば財政健全化の名目で、競争入札などの声が出るかもしれません。その時、国民の生活基盤を守り抜いた私たちは、はっきり「NO!」と言わなければなりませんし、その資格があると強く断言できます。そしてそれは持続可能で「誰一人取り残されない」社会をつくるSDGsの理念の実現でもあります。
現状維持ではなく、成長のため新しくできることは何か。これを全員で考え、市町村や取引先にも積極的に提案をし、一歩ずつ前に進んでいく。そして市民からいつまでも必要とされる存在であり続け、次世代へバトンをつなげていく。令和3年度はそれを確かなものとしていく一年とする所存です
●総会開催にあたり議連、関係省から祝辞
地域廃棄物適正処理推進議員連盟・石破茂会長、斉藤鉄夫幹事長、寺田稔事務局長、環境省、経済産業省、農林水産省幹部。
●令和3年度事業計画
(1)固形一般廃棄物業界を取り巻く情勢、(2)廃棄物・リサイクル分野における動向、(3)全国の市町村の廃棄物・リサイクル行政の動向、ほか
●災害廃棄物処理支援活動報告
=環境大臣賞を受賞して=
熊本県清掃事業協同組合事務局 原口真治
(詳細については全清連ニュース第100号をご覧ください)