総会
活動報告
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平成31年度の総会の報告

全清連・第10回定時社員総会開催

~新会長に三井弘樹氏を選出~

一般社団法人全国清掃事業連合会(全清連)は、4月24日(水)午後2時より千代田区一ツ橋の如水会館を会場に、オブザーバーを含め総勢265名の出席を得て第10回定時社員総会を開催し、任期満了に伴う役員改選では、新会長に三井弘樹氏を選出した。全清連は結成から20年の節目の年を迎え、さらに時代は平成から令和へと移る。これに歩を合わせるように全清連も新たな時代の幕開けとなった。なお、三井崇裕前会長は名誉会長に就任した。総会終了後には講演が行われ、その後の懇親会では地域廃棄物適正処理推進議員連盟の石破茂会長(衆議院議員・自民党)をはじめとする多数の国会議員、関係省庁幹部らが出席しての祝宴が開かれた。

定時社員総会は開会に先立ち全清連の「連合会旗」が入場。全員起立し大きな拍手で迎えた。正面に掲げられた国旗ならびに連合会旗に向かって君が代を斉唱して総会は幕を開けた。永冨政英副会長(福岡県清掃事業協同組合連合会会長)が開会宣言を述べたあと、三井崇裕会長が退任のあいさつを含めた形で次のように語ると、会場は大きな拍手に包まれた。

三井崇裕会長が退任のあいさつ

=皆様に支えられて、20年間歩んでこられた=

今日は第10回の定時社員総会を迎えることになりました。顧みますと平成10年に組織を立ち上げ、ちょうど20年目になります。この間わたしたちは大変なことが起きた中で、皆様のご支援、そして執行部体制の中でこの20年をやり通すことができたと理解しております。本日も平成30年度の事業報告、そして令和元年度の事業計画が出されます。慎重審議の上で更なる発展を目指してもらいたいと思います。よろしくお願いいたします。
わたしは20年間、闘ってきたつもりですが、著しく体調を崩しましたので、本日をもって退任の手続きをしていただくようになっております。今日は退任のあいさつとさせていただきます。全清連は組織として20年が経ちましたが、当初は全国組織がありませんでした。例のこと(平成10年、規制緩和委員会による家庭ごみ処理参入自由化の検討)があって、急ごしらえの組織ではありましたが……。本当に頑張りました。ここまでこられたのは、今日、全国からお集まりの皆様方、つまりは連合会の皆様方のご支援、ご協力があったればこそと、感謝しております。また、今回、20周年ということで記念行事として20年間の歩みという記念誌をつくりました。皆様のお手元に届くと思います。さきほど申し上げましたように、ここまでこられたのは皆様のご支援があったればこそです。これまで執行部体制で協議していただいて、議連に相談申し上げてご指導を受けるという形をとってきておりましたが、これからもそのように進めていったらいいのではないかと思っております。本当に、今日お集りの皆様に支えられてここまで歩んでこられたこと、本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。

令和元年度の事業計画

=地域の中で存在感を高める。打って出る時が来た=

このあと議長に大月伸一副会長(新潟県一般廃棄物処理業者協議会会長)を選出し議案を審議。第一号議案・平成30年度事業報告(案)~第四号議案・令和元年度収支予算(案)を満場一致で承認。第五号議案の役員選任について(案)は、令和元年・2年度の理事・監事候補を拍手でもって賛成。選任理事が別室にて理事会を開催した結果、会長に三井弘樹氏を選出した。続く第六号議案の名誉会長の顕彰について(案)は、前会長の三井崇裕氏を名誉会長に顕彰することで承認した。
なお、令和元年度の事業計画(案)は山田久専務理事が説明に立ち、基本方針を踏まえたうえでの具体的な各々の事業活動方針を示したが、新たな視点として「地域循環共生圏構想に寄与する取組み」「労働基準法第62条および年少者労働基準規則第8条第42号の改正に関する取組み」「働き方改革と働き方改革原資確保に関する取組み」など、時代のテーマである案件への対応も取り入れた。
とくに「地域循環共生圏構想に寄与する取組み」では、固形一般廃棄物業者が今後取り組む方向性を示唆した。全国の各々の地域で、少子高齢化・過疎化が進み、消滅市町村が出てくるといわれている現在、地域住民の方々は、様々な不都合や不安を抱えている。こうした中にあって、地域の生活環境分野である固形一般廃棄物収集運搬においては、現在あるいは近い将来に市民、住民が困り不安を抱く事案について、より良いサービスを提供することを必要としている。例えば高齢者のごみ出し支援について市町村に積極的に提案して実現につなげていく。人口減少に伴い、現在の広域処理を越えた広域処理が不可避になる場合のシミュレーションを行い市町村に積極的に提案して実現につなげていく。検討プロジェクトを主導する――などなどをあげ、今後、全清連に地域循環共生圏・SDGs推進委員会を設置し、全国の地域事情、温度差に応じた取り組みを支援する活動を行っていくとしている。山田専務理事は「我々が立たないといけないと思う。そういう時期に来ている。地域の中で存在感が高まることは何でもやってみようと。アイデアを出してほしい。全清連は応援する。ネットワークでもって、打って出る時が来た」と出席者に呼び掛けた。

三井弘樹新会長あいさつ

=取り巻く環境は大きく変わる。守りだけではなく=

議案審議が滞りなく終了したあと、選出された新執行部役員が紹介され、新役員を代表して三井弘樹氏が次のように会長就任のあいさつを述べた。
大変な重責でありますし、身の引き締まる思いでもあります。不安がないと言えばうそになると思います。しかしながら新しい役員の皆様とともに、そして今日ご参加の皆様とともに職責を全うしたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
わたしは平成10年の発足以来、前会長のカバン持ちで何が何だかわからないまま東京に来ました。それから20年、その20年の間に全清連は決して順風でも平穏でもありませんでした。いろんな問題が対外的にも内部の中でも起きました。それを一つひとつ解決してきました。わたしはそれを目の当たりに見てきました。このことは実は、先代とそこに携わった様々な方々の並々ならぬ努力によって解決してきたことは、紛れもない事実であります。そのことに感謝しつつ取り組んでいきたいと思っています。
先ほどの総会の議案審議でもありましたように、これから我々を取り巻く環境は大きく変わっていきます。地域の環境保全、地域の公衆衛生の向上、地域から出てくる廃棄物リサイクルの循環型社会システム構築、地域循環共生圏の担い手として我々がいかにそこに関与していくかというのが、我々業界が今後生き残っていく道だと思っております。このことに対応していくには、守りだけでなく、転じることもしていかなくては我々の業も守れませんし、皆さんの会社の社員さんも幸せになれません。そのことを視野に入れて新役員との協力のもと、組織運営をしていきたいと思いますので何卒よろしくお願いいたします。

石破茂議連会長

=議連や地方組織を活用していただきたい=

総会後には、環境省地球環境局総務課の秦康之課長を講師に「地域循環共生圏」をテーマとした講演が行われ、また会場を移しての懇親会では全清連の地域廃棄物適正処理推進議員連盟会長を務める石破茂議員や多数の国会議員や省庁幹部らが出席し、祝辞・あいさつが続いた。
石破議連会長はあいさつで、「前三井会長、20年間ゼロからスタートされて精力的に活動された。あるいは我々議連に適切な、的確な本来あるべきご提言をいただきました。それが一つひとつ形として実ってまいりました。なかなかできることではありません。ゼロからスタートということが、本当にどんなに大変なことだったか、という風に思っております。名誉会長にご就任ということでありますが、なおなおお元気で後進のご指導に当たられたく思います」と前会長のこれまでの労をねぎらいつつ、「新会長におかれましては、どうかその志を受け継いで、多くの国民のために、次の時代のために尽くしていただきたいと、心から思う次第であります」と新会長への期待を寄せた。
環境省から様々な通知が発出され、業に対する最高裁判決も出された。しかし自治体の中には担当者が代わるなどして環境省通知、最高裁判決の趣旨が周知、徹底されていないケースがみられる。それについて石破議連会長は、「どうか自治体に対して、我々自民党そして公明党、その地方組織もご活用いただきたいと思っております。議員は使うためにあるのですから」と全清連への支援を強調した。
乾杯の発声は公明党の斉藤鉄夫議連幹事長。「三井名誉会長への感謝と、三井弘樹新会長の門出を祝って、そして今日ご参会の皆様の発展を祝って乾杯したいと思います。乾杯!」と威勢のよい掛け声とともに杯を高く上げ、祝宴に入った。

総会の詳しい内容については「全清連ニュース92号」をご覧ください。