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奇数月発行 全清連NEWS

ニュース 第58号 平成23年(2011年)5月31日

全清連第二回定時社員総会特集

・被災地への無償支援活動を報告
・執行部強化へ新役員体制を確立
一般社団法人・全国清掃事業連合会は5月17日、大阪市のホテル日航大阪で第二回定時社員総会を開催した。当初は4月22日に東京での開催を予定していたが、東日本大震災被災地への無償支援活動に注力し、大震災の社会的、経済的影響を見極めるために、規模を縮小するかたちで行った。各都府県連から代表社員を含めた57名が参加した。
総会に先立ち、4月27日〜5月14日まで実施した大震災被災地での支援活動内容が映像を交えて報告した。総会の議案審議ではそれぞれ原案通り承認。任期満了に伴う役員改選では、常任理事の設置を軸とした執行部の大幅な強化が行われ、三井会長、西山副会長、山田専務理事の再任のほか、新副会長には野々村清氏、常任理事には7名が新たに就任した。

三井会長あいさつ(要旨)
=大震災被災地での活動を糧にさらなる前進を=
東日本大震災で被災にあわれてお亡くなりになられた方々のご冥福と、被災者の皆様へのお見舞いを申し上げます。
先ほど、被災現場での無償支援活動の成果を二人の方に報告していただきました。我々全清連には、震災の週明け3月14日に環境省災害廃棄物対策特別本部長名で正式に支援要請が来ました。これを受け緊急理事会を開催して支援活動の実施を決め、準備・計画・現地調査と進めてきまして、4月27日に第一陣が現地に入りました。岩手県の大槌町、山田町は遠い所で、福岡県からですと移動に33時間もかかるところです。実に過酷な支援であったと理解しています。
今回の支援活動は約3週間を費やしました。この間、全清連の理事の皆さんも多数現地に入り、現場での指揮等を執っていただきました。また各県から現地に派遣していただいた会員は、精鋭を送り込んでいただき、すばらしい活動ができました。5月14日は夕食をともにし、派遣された皆さんに感謝を伝えましたが、涙ぐんで私の手を握り返してくれる方が沢山いらっしゃいました。なんとも申し上げようのない感動の瞬間でした。この活動を通じて、我々全清連が、いかに真摯に活動してきたかの証明になると思いますし、全清連の歴史の1ページとして後世に残っていくだろうと理解しています。
いずれにしましてもこの度の支援活動にご協力を賜り、本当にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
さて、本日は第二回全清連定時社員総会を迎えることになりました。
全清連の活動目的ですが、まず第一は「環境の保全優先」です。これなくしては安心・安全の循環型社会を構築することができません。二点目は「環境分野は規制強化が不可欠」ということです。そして三点目は、固形一般廃棄物の業務は市町村の自治事務であり、我々の法的な位置づけは「ごみ処理業務の代行者」ということです。これが私たちの基本的スタンスであり、結成以来1日たりとも変わっておりません。
規制緩和により、廃棄物の定義・区分を改悪されると、全国の約2万1000社の同業者の何社が生き残れるでしょうか。私も業をしておりますが、おそらく80%は倒産でしょう。このようなことを見過ごしてはなりません。今後も永遠のテーマとして活動しなければなりません。このことだけはお忘れなきようお願い申し上げて開会のあいさつとさせていただきます。

平成23年度事業計画
平成23年度の事業計画(基本方針)は以下の4点。
1.廃棄物・リサイクル制度に関する対策活動の推進
2.地方における6.19重要通知に係る周知活動の推進
3.全清連組織の拡充強化
4.啓発活動の積極的推進

東日本大震災の被災地で支援活動を展開
‐岩手県大槌町を中心に延べ720名でダンプ969台分の災害廃棄物を撤去‐
全清連は震災直後の3月14日に発出された環境省災害廃棄物対策特別本部からの支援要請に直ちに応えて、全清連会員、各県連本部に対して、支援体制構築を呼びかけ、3月中にも支援活動開始を目指したが、環境省と被災現地の県、市町村との連携不足等のために4月以降にずれ込むことになった。
全清連としては、地域の生活環境保全と公衆衛生の確保・向上を使命として固形一般廃棄物の適正処理に従事している立場から、未曾有の災害にたとえ微力であろうともできうる限り支援協力することは社会的責務でもあると位置づけ、4月20日から3日間、環境省との折衝を通じて地域を絞り込み、岩手県宮古市、山田町、および民間ルートから辿った大槌町へ現地調査を行った。この現地調査を踏まえて、4月28日から5月14日までの実質14日間、大槌町吉里吉里地区、花輪田地区、桜木地区において、廃棄家財を中心に災害廃棄物の支援活動を展開した。
全国から集まった全清連の参加隊員は、短期間に延べ720名、ダンプ969台分、7752立法メートルの災害廃棄物を撤去運搬した。当初は半信半疑だった被災地住民の方々から、隊員たちが恐縮するほど喜んでいただいた。5月11日には山田町現地の朝礼に、環境省廃・リ対策部の中原敏正参事官補佐他2名、岩手県環境生活部資源循環推進課の吉田篤総括課長が顔を見せ、両氏から感謝と激励の言葉をいただいた。また5月14日の作業終了日には、大槌町役場の東梅副町長から、支援活動に対し、住民を代表した心からの感謝の弁を述べていただいた。
全清連の参加隊員も今回の支援活動を通じて、改めて環境保全と公衆衛生確保・向上のための公共サービスの何たるかについて深く学ぶことができたのではないか。
全清連は今回の支援活動の取組みを通じて、結成以来の基本的立場として明確に打ち出していること、すなわち「地域住民ならびに行政の方々からの信頼と支持を得るに足りる適正かつ的確な業務遂行」の原点を体験したといえる。

東日本被災地支援活動報告@

震災発生から現地調査隊員派遣及び第一陣救援隊の活動
全清連災害救援隊第一陣隊長・片野宣之(三重)

現地調査(4月20日、理事・委員を中心とした11人のメンバーで盛岡市に入り、21日に宮古市・山田町・田老町・大槌町を一日かけて約300kmの行程を視察。しかし各役所を回ってみると、驚きの回答が返ってきた。「支援は間に合っており、お引取り願いたい」「環境省には既に正式にお断りしている」と。しかし、実際は喉から手が出るほど追加支援がほしく、それが無償ならばなおさらというのが役所の本音だった。これはいったいどういうことなのか……。テレビや新聞では決して報道されない災害廃棄物処理の生々しい「実態」がそこにはあった。現地調査ならびに支援活動で発生した様々な問題と矛盾、軋轢、葛藤など詳細については全清連ニュース紙上で。)

第一陣救援隊の活動 4月27日に中部関東・近畿四国・中国九州の3ブロックより4トンダンプ15台及び連絡車4台と総勢42名が岩手県に集結。大槌町は町全体が被災しており、宿泊場所や食料の確保もままならないことと二次被災リスクを避けるため、震災影響のなかった盛岡市内を拠点とした(第二陣も同様)。毎朝6時に朝食をとり、6時30分にバスにて2時間半かけて被災地を往復しながら活動することになった。
地元の人たちに、全清連という団体としての方針・活動意義を説明することで信頼を得ることができました。すると避難所生活をおくる方々から次々と支援要請の声が挙がりました。要請に基づき、家財道具の撤去や住宅、道路に溜まっている粗大・家電・汚泥・木くず・プラスチック等々の収集運搬を実施。
「自分たちの地元のために無償でここまで支援してくれる団体は他にはいない。何とかその行動に応えたい」として、自ら個人所有のミニユンボを提供してくれる方もいました。
しかし活動現場では様々な問題も発生した。本当にこの支援を続けるべきなのかという議論を夜中遅くまでしましたが、やはり全清連は公共的な環境保全を推進する団体であり、国民の安心・安全を守ることが第一義で、このような緊急事態現場においては、とにかく被災民が困っていて助けを求めていることは確かなのだから、我々が対応可能なことは何でもやろうということで一致団結しました。
二日目以降は、神社、事業所、個人宅、団地、保育園等順調に活動することができました。被災地の住民の方々から、「物資がなく、まともなお礼もできませんが……」としながらも、飴やジュースの差し入れや、多くの感謝の言葉をいただき、地元の方々との信頼関係を築くことができました。
全清連として十分な役割を果たすことができ、意義ある活動だったと思います。
(被災した大槌町役場)

東日本被災地支援活動報告A

第二陣活動から撤収まで
全清連災害救援隊第二陣隊長・大前清彦(大阪)

第二陣救援隊の活動 5月6日から14日まで9日間連続での作業。第一陣が苦労され、段取りを済ませていただいたため初日よりスムーズに作業に入れました。
地元の建設会社の方の依頼で、住居が残っているが浸水している地域のありとあらゆる家財道具一式をほとんど撤去した地区が大槌町の花輪田地区と桜木地区。そして住民からぜひと頼まれ、残り二日間ではあったが途中までしか撤去できないのを前提に、一部を撤去したのが大ヶ口地区。一部の部隊を派遣したのが大槌町吉里吉里地区、山田町の水産関係会社、宮古市の水産関係会社でした。
5月11日の朝礼時に、環境省・伊藤部長が、我々全清連の活動に対し敬意を表したいと、名代で環境省・中原参事官補佐が、また岩手県庁・吉田総括課長があいさつに来られました。とくに岩手県の方のあいさつは、実際に被災している立場としての感情がこもったものでした。
「がれきの山を毎朝目の当たりにしている住民が、どのような思いであるかは察するに余りありますが、日々がれきが少なくなることが住民の力となり、復興への歩みとなることを確信しています。被災県民の一人として、また岩手県のがれき・廃棄物対策チーム長としてひと言御礼を申し述べたくて参りました」
この言葉で、隊員の士気は一気に上がり、厳しい環境だが頑張ろうという気になりました。
あらゆる現場で、いろんな方々から沢山の「ありがとうございます」という言葉をもらえるようになりました。ある地区では工場のがれき撤去をした後、我々が帰ろうとすると、この会社の社長と従業員の方々が整列され、「あなた方の支援には、言葉にならないくらい本当に感謝しています。あなた方の地元地方に足を向けて寝ることはできない。本当にありがとう。私たちも必ず復活します」と言われ、後ろの従業員の方のすすり泣く声が聞こえてきました。その言葉に、思わず私たちのほうも涙をこらえることができませんでした。
こうして当初の計画通り、5月14日午前中で作業を打ち切り、撤収の運びとなりました。
そこで、大槌町の副町長へあいさつに行くことになりました。その場において地元で我々の支援活動をバックアップしてくれたM氏から感謝の言葉をいただきました。
「汗水流して築き上げたものが、一瞬にしてすべてを失ってしまった。茫然自失していたところに、全清連の皆さんが来てくれて、地元の人々も『強者(つわもの)たちが来てくれた』と喜んだ。沢山の勇気をもらえたとともに、将来に向けて、負けてたまるか、という思いがこみ上げてきた」
このような言葉をいただいた瞬間、地震発生当初からの環境省とのやりとり、現地視察で見せ付けられた矛盾した現実、劣悪な環境下での作業といった数々の困難がすべて浄化され、本当に来てよかった。来たことは間違いではなかった。一個人としての同じ日本人としての絆、公共に携わる業界団体としての我々の存在、必要性を強く確信することができました。
(桜木地区での撤去作業)

被災地支援 ポスター・ステッカー作成

全清連は、東日本大震災による被災地支援ポスター(写真)とステッカーを作成して全国の会員に配布した。A1サイズのポスターは、事務所などの室内に掲示し、ステッカーはトラックなどの車両に貼ることですべての会員の心をひとつにして、被災地を支援するという全清連の姿勢をしめす。

(詳細については全清連ニュース第58号をご覧ください)

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